「10年前は閑散としていた時期も…」サンリオエンターテイメント“激動の10年間”を小巻亜矢代表取締役社長が振り返る
◆凄まじい反響があった“バーチャルイベント”
サンリオエンターテイメントは近年、新たなチャレンジとしてバーチャルの世界にも進出しています。「具体的には、2021年、2023年、2024年と3回(メタバースイベントを)開催していまして、最初は“音楽フェス”、その後が“コミュニケーションフェス”、そして今年は“バーチャルテーマパーク”をテーマに、年々育ってきているところです」と小巻さん。 特に2021年に初めて開催したバーチャルイベント「SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland」の反響はかなりのものだったそうで、「ビジネスとして“大成功!”とまでは言えないんですけれども、“新しいエンターテインメント”の姿に誰もがビックリしている状態でした」と胸を張ります。 また、同イベントをおこなって驚いたことが“来場者の客層”だったと言います。「皆さんはアバターで参加するので、性別・国籍の垣根を超えていろいろな方が参加されているのですが、データ上では400万人以上が参加されて、そのうちの8割が海外からでした」と明かし、サンリオエンターテイメントからは積極的に海外への情報発信をおこなっていなかったものの、「そういうところでもインターネットの今までにないつながり方や、拡散されていく流れにビックリしました」と語ります。 現在は1人のインフルエンサーが告知をするだけで瞬時に拡散される時代に「ある意味“恐ろしさ”もあるんですけれども、それでエンタメが広がるのは良いことですし、ましてや私どもが提供しているものは笑顔になるものが多いと自負していますので、『世界中がみんななかよく』という(会社の)企業理念を具現化していくうえで、こんなにいいツールはないと確信しています」と胸を張ります。
◆現在はグローバル事業にも
小巻さんいわく、サンリオは元来“宣伝をしない会社”でありながら、現在128ヵ国以上の国で愛されているキティちゃんの存在はやはり大きく、その影響から社内でも世界への意識が大きく高まり、2020年から代表取締役社長をつとめる辻朋邦(つじ・ともくに)氏は“より多くの人に魅力を届けたい”とグローバル化を推進。企業改革を推し進め、順調に拡大しています。 そんな積極的な海外展開が功を奏し、6月に天皇・皇后両陛下がイギリスを訪問した際、晩餐会でチャールズ国王がキティちゃんに言及する一幕も。「チャールズ国王が公の場で『ハローキティはロンドンで生まれたんですよね?』と言ってくださり、さらには『(生誕)50周年おめでとうございます』と天皇陛下にお伝えいただいて……ものすごく光栄でうれしい出来事でした」と感慨深げに話していました。 (TOKYO FM「DIGITAL VORN Future Pix」2024年7月27日(土)放送より)
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