三重・桑名市、カスハラ防止条例案 繰り返す場合は氏名公表も
三重県桑名市は4日、客による理不尽な要求や暴言などの迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の防止条例案を市議会に提出した。福祉施設や病院、学校など公共性の高い施設へのカスハラも対象となり、カスハラと認定した場合は警告や意見聴取などの手続きを経て行為者の名前を公表できる。氏名公表の規定を盛り込んだカスハラ防止条例は全国初で原案通り可決されれば、2025年度から施行する。 条例案では、カスハラを「客の言動による要求内容に妥当性がないもの」「社会通念上不相当で就業者の就業環境が害される恐れがあるもの」などと定義し、カスハラの禁止を明記した。 カスハラを調査、審議するための市長の付属機関「カスタマーハラスメント対策委員会」を設置。弁護士や学識経験者が委員となり、事業者の求めに応じてカスハラを「確認」または「認定(行為者も特定)」して市長に答申する。確認、認定ともに事案の概要は市民に公表する。 認定の場合は行為者に警告。警告にもかかわらず、カスハラを繰り返した場合は市長が行為者と同対策委に意見聴取した上で氏名公表を判断する。 カスハラ防止をめぐって、厚生労働省はカスハラ対策を企業に義務付ける方針を示している。また都道府県レベルでは東京都で今秋、カスハラ防止条例が成立している。