老舗百貨店再建へスーパー部門の資産売却に着手 再生計画の一環「不採算ではなく老朽化」 山形屋ストア西皇徳寺店を2月24日閉店
鹿児島市皇徳寺台4丁目の山形屋ストア西皇徳寺店が2月24日に閉店することが8日、分かった。私的整理の一種「事業再生ADR」を活用し経営再建を目指す山形屋(同市)の事業再生計画の一環。資産売却により、グループの経営資源の有効活用と財務健全化につなげる。 【写真】2月24日で閉店する「山形屋ストア西皇徳寺店」=2024年12月27日、鹿児島市皇徳寺台4丁目(画像は一部加工しています)
同店は1984年6月開店、現店舗(売り場面積498平方メートル)は87年2月に建て替えた。敷地(面積1742平方メートル)は今後売却を予定する。購入先や時期、建物の取り扱いは未定。 山形屋ストア(同市、原田清量社長)によると、閉店は不採算ではなく、建物や設備の老朽化が主な理由。回転ずし店などを併設する山形屋ショッピングプラザ皇徳寺店(同市皇徳寺台2丁目)が近くにあり、顧客の利便性は維持できると判断した。パートを含む従業員20人は、近隣店舗などで継続雇用する方針。 山形屋ストアは69年4月、山形屋グループのスーパーマーケット部門として発足、同年10月に1号店の谷山店を開店した。現在は、事業再生計画を主導する山形屋ホールディングス(HD、同市)の傘下にある。 山形屋ストア関連では、3月からギフトショップとなる日南山形屋の店舗内ストアが2月24日閉店する。2店舗閉店後は鹿児島・宮崎両県の20店舗となる。
南日本新聞 | 鹿児島
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