阪神 広島に敗戦も牙見せた 中野「相手に与える影響は違う」8戦ぶり打点!森下も反撃打
「阪神3-6広島」(9日、京セラドーム大阪) 阪神は、3連勝すれば首位浮上の可能性もあった広島との3連戦初戦を落とし、ゲーム差が3に広がった。痛い敗戦となったが、五回に中野拓夢内野手(28)が8試合ぶりの打点を挙げ、八回には森下翔太外野手(23)が2戦連続の打点を記録するなど意地は見せた。11日にも自力優勝の可能性が消滅する状況となったが、関係ない。この一戦で見せた粘りをつなげて、まずは10日の対戦で勝つだけだ。 【写真】あ~ぁやっちまった 暴投に思わず頭を抱える寸前の佐藤輝 九回2死。梅野のバットが空を切ると、スタンドの声援は京セラドーム内に響き渡る嘆息と化した。すぐにベンチ裏へ消えた岡田監督に続き、うつむいた選手が列を作る。2差の首位・広島を迎えた3連戦初戦。痛い敗戦となった。 ただ、一方的な敗戦ではなかった。大崩れしそうな展開で踏みとどまり、高い集中力を見せた。5点差に広げられた直後の八回だった。この回から登板したコルニエルに対して、森下が1死一塁から2試合連続打点となる左中間適時二塁打。佐藤輝が左前打で続き、大山の二ゴロの間に3点目を奪って3-6とした。 3点差に迫ったことで、九回に守護神・栗林を引きずり出した。2戦目以降を考えれば、登板させたことに価値はある。選手会長の中野ははっきりした口調で言った。 「簡単に終わらないというところが大事。相手にそういう印象を与えるだけでも、今後も戦いがあるので相手に与える影響は違うかなと。チームとして粘り強く戦うことはこれからも大事にしていかないといけない」 自身は苦しいムードを変える快音を響かせた。四回を終えてわずか1安打で0-4。先発の村上が乱れ、打線は今季初先発の左腕・森に1安打に抑えられていた。 五回に安打と失策で1死一、二塁として初めて得点圏に走者を進めた。だが、近本が空振り三振。嫌なムードが漂う中、中野が低めのスライダーをバットに乗せ、左中間へ適時二塁打を放った。 10打席ぶりの安打&8試合ぶりの打点。「ズルズルと引き離される展開にはしたくなかった」。二塁上から、盛り上がる一塁ベンチへガッツポーズを見せた。 個々の奮闘は実らずに敗れたが、引きずるわけにはいかない。残り40試合で、広島とは3ゲーム差に広がった。10日から2連敗すると、自力優勝の可能性が消滅する。阪神よりも6試合多く残している広島と、2位・巨人に食らいついていくためにも、最低でも今カードは勝ち越したい。 10日の広島先発は森下。リーグ3位の防御率1・63の難敵だ。森下は「チャンスで回ってきた時にもっと自信を持って打席に立ちたい」と力を込めた。広島の独走は許さない。 ◆11日にも自力Vが… 阪神は11日にも自力優勝の可能性が消滅する。広島との今カード3連敗となると残り38試合全勝で90勝48敗5分け、勝率.652。一方、広島は阪神戦残り6試合に敗れても、それ以外の試合で全勝すれば、92勝46敗5分けで勝率.667となり、阪神は広島を上回れない。ただし、現時点で消化試合数が阪神より広島の方が6試合少ないことも影響している。