天性のイジられ能力&無自覚なウザさが武器のゼロカラン。学生時代から見てきた千鳥のような“くだり”芸で可能性を見出す
東京吉本の若手芸人が所属する「神保町よしもと漫才劇場」から、今押さえておくべき芸人を紹介する新連載「レコメンド神保町」。前途有望な若手芸人が日々、切磋琢磨しているこの劇場の中でも注目の芸人とは。 【写真】ブレイク必須の若手コンビ・ゼロカラン 第3回は昨年、フリーから吉本興業に所属したゼロカラン。金魚番長、イチゴなど同期が波に乗るなかで、自分たちにしかない武器でブレイクを目指すふたりに話を聞いた。
芸人になったから武器になる
──まずはおふたりのアピールポイントを教えてもらえますでしょうか。 たいが ワキには異常ないじられ能力があるんで、そこですかね。天性のモノなんですよ、ワキの家族はみんないじられキャラで。何年か前にワキのお父さんとお母さんとご飯に行くことがあったんですけど、会った瞬間にこの人はイジっていいんだって思いました。 ワキユウタ(以下、ワキ) いや、アカンねん。でも否定はできないですね。子供のころから僕は家でもお兄ちゃんにイジられてたんですけど、お兄ちゃんの友達が来たらお兄ちゃんがイジられてて……。まあ、学生時代から僕はイジられてたというか、イジらせてあげてたんですけどね。 たいが ほんまにちゃんと怒るんすよ。なのに、みんなイジる。学生時代とか笑えないぐらいキレたこともありました。 ワキ 雑いんで。 たいが そうだろ、プロじゃないんだから。 ──おふたりは昨年の4月から神保町よしもとの所属になりましたが、その武器はコーナーライブなどでも役に立ったんじゃないでしょうか。 たいが 前に出てたライブではとりあえずワキをいじっておけばって感じだったけど、吉本にはワキぐらいいじられる人がゴロゴロおるんすよ。 ワキ 僕は見た目も普通なんで、そこではもう勝てないですね。だからツッコミでがんばろうと思いました。抽象的なんですけど、出川(哲朗)さんとか、ダイアンの津田(篤宏)さんみたいにはなれないと思うので、いじられてもノブさん(千鳥)みたいにツッコめるようになれたらと。 ──ではワキさんから見た、たいがさんの武器はどんなところだと思います? ワキ そうっすね……このウザい感じすかね。なんかわかんないんすけど、ずっと下に見られてるようなオーラが出てるんすよ。僕だけじゃなくて、世界の誰に対してでもです。でも、芸人としては武器なのかなと、そこがおもろいというか。 ──それも学生のときから変わらずですか。 ワキ 出会ってからずっとですね。わからないですか? 今もちょっと感じません(笑)。こいつは自分の意思なくこの感じが出せるんですよ。別に相手を下に見てないとは言うんですけど、誰に聞いても共感してもらえるんで、僕だけじゃないんだなって。 たいが 僕は平等に生きてるだけですよ、上も下もなく。背高いからそう思うだけやと思います。 ──でも武器になってるんならいいってことですよね。 ワキ まあ、マジでそうっすね(笑)。