今年公式戦負け知らずの興國!守備の要DF的羽航人、全国では「魅了して結果も出したい」
興國が令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選で優勝を飾り、インターハイでは初の全国大会出場を決めた。 【フォトギャラリー】興國vs関大一 これまで何度も2枚(大阪は決勝進出の2チームが全国出場)の切符を掴もうと先輩たちが挑戦し、跳ね返されてきた壁。その壁を今年のチームは遂に乗り越えた。そのチームの中心にいたのはキャプテンマークを巻いたDF的羽航人(3年)だ。 今年のチームが壁を乗り越えられた一番の要因は守備の安定だろう。攻撃にフォーカスが当たるチームにあって、「守備のところは滅多に崩されることもないので、守備の強度は、ボランチのラインのところとバックラインもしっかり連携が取れているので、前線からも(プレスを)掛けれますし、守備のところは強化できていると思います」と、的羽航人(3年)と國岡俊哉(3年)の両CBがもたらした安定感はトーナメントを勝ち抜くのに必須だった。 準決勝の関大一戦は後半に先制を許したが、すぐに同点に追い付くと、延長戦に2ゴールで突き放し見事な逆転勝利。試合後、的羽は「ホッとしたのはあるんですが、勝つと思っていたので、結果的にこのチームの強さを見せられて良かったです」と安堵した気持ちと、勝って当然という自信、両面があったと吐露した。 今年の興國の特徴である「精神力が強くて、点を取られても全員が最後には点は入ると思っている」という精神的なタフさを備えていても、やはりこの全国がかかった舞台で先制を許すとなれば話は別。この試合では途中出場の選手の活躍ですぐに追いつけたことで終盤に焦る必要がなくなった。そういう意味でも30人近くが今大会を経験し、誰が出ても空回りすることがない、本当の意味での層の厚さが勝負を分けたのかもしれない。 「スタートメンバーも一喜一憂できない。みんな次の試合に向けてステップアップした自分を見せるためにやっているので、良い形でやれていると思います。最後に3点目を決めたFW地道(碧)もこの前トップに入って来て、練習で勢いを見せてこの舞台で結果を残した。BからもCチームからもどんどん上に上がってくるので、Aにいる選手は抜かされないように頑張って、上がってくる選手はポジションを取るつもりでやるので、そこの入れ替わりの多いところがこのトップチームが進化していける理由」 日々のトレーニングから選手間の競争が激しく、そのことがチームを進化させていると胸を張った的羽。 プリンス関西1部では現在、開幕から6戦無敗で2位。今大会の5戦を合わせ今年は公式戦で未だ負け知らずだ。 「僕ららしい面白いサッカーを見せてファンを増やしていきたい。観てる人を魅了して、結果も出したい。楽しいサッカーだけじゃダメなんで、結果も出してみている人を楽しませたい」 全国でも興國らしいサッカーを、しかし同時に結果も出す。負けることで自分がポジションを失うことに繋がるかもしれない。そんな競争意識がもたらす危機感が的羽のこの言葉にもよく表れている。 (文・写真=会田健司)