失業手当をもらいながら求職中です。東京に住んでいますが、生まれ育った地方に戻って再就職しようと思います。何か受給できる制度がありますか?
雇用保険の受給資格をお持ち方が、ハローワークが紹介するかたちで、遠方の会社を訪問して求人者と面接等をした場合は「広域求職活動費」がもらえます。雇用保険を受給している方が、ハローワーク、特定地方公共団体もしくは職業紹介事業者が紹介した就職先に転職した場合は「移転費」がもらえます。 ▼早めに転職が決まったら「受給できる手当」を確認しよう!
広域求職活動費とは
雇用保険の受給資格がある方が、ハローワークが紹介するかたちによって、遠方の会社を訪問して求人者と面接等をした場合、交通費や宿泊料がもらえる場合があります。 もらえる金額は、交通費(鉄道賃、船賃、航空賃および車賃)の場合、雇用保険の受給手続きを行っているハローワークがある所在地から、訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの所在地までの順路について、通常の経路および方法により計算した運賃等の額です。 訪問する事業所の所在地を管轄するハローワークまでの往復距離が、200キロメートル以上ある場合を想定しています。 宿泊料は、原則、1泊7800円です。交通費計算の基礎となる距離(400キロメートル以上)と、訪問する事業所の数に応じ定められます。 広域求職活動費の支給手続きは、ハローワークで「広域求職活動指示書」と・訪問する求人事業所の数に応じた「広域求職活動面接等訪問証明書」をもらい、面接等を受けた会社で、「広域求職活動面接等訪問証明書」の事業主証明欄の記載をしてもらい、広域求職活動を終了した日の翌日から10日以内に雇用保険の受給手続きを行っているハローワークに申請します。 申請には、支給申請書、広域求職活動指示書、雇用保険受給資格者証、・広域求職活動面接等訪問証明書の提出が必要です。
移転費とは
雇用保険を受給中の方が、特定地方公共団体もしくは職業紹介事業者、ハローワークが紹介した就職先に転職するのに転居が必要な場合、以下の要件のどれかに該当すれば、本人とその家族が転居のために必要な交通費などが支給される場合があります。 ・通常の交通機関を利用し、通勤するための往復時間が4時間以上の場合 ・交通機関の始発や終発の便が悪く、通勤に著しい障害がある場合 ・移転先の事業所などの事業主の要求によって移転を余儀なくされた場合 交通費(鉄道賃、船賃、航空賃および車賃)は、もとの居住地から新しい住居地までの順路において、通常の経路と方法によって算出します。そして、本人および随伴する親族の運賃等の金額が支給されます。 移転料は、交通費計算の基礎となる鉄道等の距離および親族の随伴に応じて、9万3000円~28万2000円が支給されます。単身の場合は半額です。 着後手当は、原則、親族を随伴する場合7万6000円(もとの居住地から新しい居住地までの、鉄道運賃の計算上基礎となる距離が、100キロメートル以上のケースでは9万5000円)、親族を随伴しない場合3万8000円(同4万7500円)です。単身の場合は半額です。 移転費の申請は、移転した日の翌日から1ヶ月以内に、移転先の住居所を管轄しているハローワークで、移転費支給申請書と雇用保険受給資格者を提出すると、ハローワークから移転費支給決定書および移転証明書が交付されますので、それを就職先の事業主に提出してください。 事業主が、移転証明書の就職証明欄というところに必要な事項を記載し、ハローワークに返送します。
まとめ
雇用保険を受給中の方は、ハローワークの紹介で、IターンやUターンでの転職を考えているのなら、「広域求職活動費」や「移転費」をしっかり活用しましょう。 注:Iターン転職とは、都市圏出身の人が地方に移住・転職することをいいます。Uターン転職とは、地方出身の人が都市圏で働いた後、転職して故郷に戻ることをいいます。 出典 厚生労働省 移転費、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費について 厚生労働省 雇用保険に関する業務取扱要領(令和6年10月1日以降) 執筆者:新美昌也 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部