フェラーリ、インテルラゴスでの”無力感”を嘆く。言外にBoPへの不満滲ませ「これ以上できることはなかった」
フェラーリはWEC第5戦サンパウロ6時間レースのハイパーカークラスで51号車が5位、50号車が6位に終わり、表彰台に挑戦できなかったことに「フラストレーションと無力感」を感じたという。 【リザルト】WEC第5戦サンパウロ6時間レース：決勝結果 フェラーリのグローバル・エンデュランス部門の責任者であるアントネッロ・コレッタが、レース後にそう語った上、「これ以上の結果を出すことは不可能だった」と主張したのだ。 フェラーリの耐久レースカー部門責任者であるフェルディナンド・カンニッツォも、「最大の重量と最低の出力では、マシンを最適化するための適切なウィンドウを見つけるのは非常に難しい」とコメントした。 両者のコメントは性能調整（BoP）について言及してはいないものの、BoPに不満を持っていることは確実だろう。 フェラーリ499Pはサンパウロ6時間レースで、トヨタGR010と同じく車両最低重量が1060kgとなっており、これはハイパーカークラスで最も重い2台だった。最高出力はフェラーリが503kWで、これもハイパーカークラスで最も低かった。トヨタは506kWと差は小さいが、パワーゲイン調整（トヨタは+2.8％、フェラーリは1.8％）により、時速250km以上の領域では差が広がることになる。 しかしメーカー、チーム、ドライバーはシリーズの競技規則でBoPについて公言することを禁じられており、違反するとペナルティを受けることになる。実際、トヨタは今回のサンパウロで罰金を科されている。 カンニッツォはパワー不足がタイトで狭いサンパウロでのオーバーテイクを難しくしていたとも指摘した。 「特にここのような短いコースでは、走っているクルマの密度が多くなる。トラフィックに詰まり、タイムロスすることが多くなるんだ」 彼はトラブルにより後方から追い上げたトヨタ7号車の小林可夢偉がいかに簡単にオーバーテイクをしていたかを指摘した。 「今日はトヨタ7号車が51号車をオーバーテイクしたことからもわかる」 「トヨタは数スティントで3分後方から追い上げてきた。それが今日の状況であり、誰もが考えなければならないことだ」 カンニッツォはフェラーリにこれ以上できることはなかったと思うと続けた。 「自分たちがやったことには満足している。タイヤ戦略も良かったし、（51号車の）ドライブスルーを除けば何の問題もなかった」 「レースはとても良かったし、ドライバーたちも満足していた。でも、戦えなかったことはとても残念だった」 フェラーリは今回、499Pに初めてエボ・ジョーカーを使ってアップデートを施したが、カンニッツォはそのパッケージからもう少しパフォーマンスを引き出せた可能性はあると付け加えた。 「コンマ数秒は引き出せるかもしれないが、（それが）我々に欠けていたものではない」 「我々の前にある大きな課題は、地に足をつけてこの状況を消化し、次のレースで再び競争力を発揮できるようにすることだ」
Gary Watkins
