【ネコ漫画】段ボールに捨てられた子猫たち!?「捨ててほしくない」「ひとりぼっちにしない」というメッセージを込めて描いた感動作【作者に聞く】
簡単に「猫を捨ててほしくない」というメッセージを込め、猫のかわいさや命の儚さなどを考えて制作した、吉本ユータヌキ(@horahareta13)さんの「まるねこププと」を紹介する。捨てられた子猫が飼い主を見つけるまでの第一話「ただそこにいただけで」では、思わず涙が!「うちの子を拾ったときと同じで泣けました」「ただ泣いた…。ありがとうございます。生きるの頑張ります」などの声が続々と届き、4.6万いいねがつく(2024年12月17日現在)。今回は、吉本さんに制作の経緯など話を聞く。 【漫画】本編を読む ■「拾ってやってください」と書かれた段ボール。そこに詰め込まれた子猫たち… 雨が降る夜。「拾ってやってください」と書かれた段ボールに子猫が数匹。通りすがりの親子が「連れて帰ってあげようよ」という。しかし、「なんか変だもん」という理由で一匹だけ置き去りにされる。次にそこを通りかかった少年は、残された子猫を見て「きみもひとりぼっちなんだね」と言って去っていった。 少年は翌日も現れ、子猫の段ボールに「ププ」という名前を貼って去った。「飼ってくれればいいのにな」と、塀の向こう側の飼い犬は心配そうだ。翌日も現れた少年。今度はププの絵を置いていく。さらに翌日は、深夜22時という遅い時間に会いに来た。飼えない事情を抱えた少年は、子猫をひとりぼっちにしないと「ププ」と名前をつけ、毎日会いに来る。しかし、親の離婚でププに会えなくなった。子猫は、来なくなった少年のことが忘れられなくて――。 ■「もう亡くなって9年経つんですけど、いつかその猫のことを漫画にしたいと思っていました」 ――まずは、第一話となる「ただそこにいただけで」を描いたきっかけを教えてください。 15年ほど前、猫を拾って飼っていたことがあり、もう亡くなって9年経つんですけど、いつかその猫のことを漫画にしたいと思っていました。その猫は、偶然通りかかった公園で目から血を流して、ボロボロで、持っていたお菓子をあげたら家まで着いてきてくれて、飼うことにしたんです。 飼ってすぐ病院に行ってみると病気に蝕まれていて、余命半年と宣告されてしまい、一緒に住んでいた妻(当時彼女)とすごく落ち込んだんです。でもその後、病気は治り、結果的に7年半も生きてくれました。僕にとっても妻にとっても、その7年半はすごく思い出深く、今でもふと写真を見返すぐらい大切な存在でした。なので、「猫を捨ててほしくない」というメッセージを込めながら、猫のかわいさや命の儚さなどを考え、それをストーリーとして表現したいと思い、描き始めました。 ――「誰かがそばにいてくれた」それだけで救われる温かいストーリー展開。実はテーマが深いですよね。本作で、吉本さんがこだわったところをお聞かせください。 悩んでいたり、疲れていたり、うまくいってないときは、すごく孤独で寂しく感じてしまうときがあると思うんです。僕もよくあるんですけど。でも、「誰もいない」なんてことはないんじゃないかなと思っています。なので誰かいるかもしれないと、頭に誰か思い浮かべて読んでもらえるような作品にしたいと思いながら作ったところが、こだわりのポイントです。 ――4.6万のいいねや「泣いた!」という感動の声が届いています。いかがでしょうか? 自分の作品で心動かしてもらえたということなんで、素直にうれしいです。 たくさんの方々にこの作品と出会ってもらえたということが、特にうれしいですね。 ――この大きな反響の声から書籍化が決定したのでしょうか?ププが保護されてからの見どころを教えてください。 そうですね。「ただそこにいただけで」は、2023年12月に発売した書籍「あした死のうと思ってたのに」に収録されてる作品なんですけど、最初「あした死のうと思ってたのに」の宣伝のつもりでスピンオフを描き始めたんです。 そうしたら「ププをもっと知りたい」と、更新を楽しみにしてくださる声が増えていき、僕自身も描いていてププへの愛情が増し増しになってたことから、担当さんから単行本にしましょうとお声がけいただけました。なので、SNSで読んでくださった方々にはすごく感謝しています。 ――吉本さんのお気に入りのシーンはありますか? 「まるねこププと」の書籍の中からだと、本の最後に収録されている描き下ろしの話です!この話が描きたくて続けてきたと言っても過言ではないぐらい。この話の中の1ページコマ割りせずドーンと描いたページが特にお気に入りです。 ――読者の皆さんにメッセージをお願いします。 あらためて、ここまで読んできてくださった皆さんのおかげで本にすることができました。ありがとうございます!これからもできる限り長くププの生活を描いていきたいと思っていますので、楽しみ、応援してもらえるとうれしいです。よろしくお願いいたします! 取材協力:吉本ユータヌキ(@horahareta13)