浮気性はなおらない?「俺は変わった」を鵜呑みにしてはいけないワケ
「誠実さ」とは、生き方の表れ
一度改めても、また逃げてしまうこともある なぜなら、誠実さとは、生き方の表れなんです。つまり、「誠実に生きる」と決意して、実際にその生き方をずっと貫くことができないと、誠実な人とは言えないんですね。不誠実な人が誠実な人間に生まれ変わるのって、重度のアルコール依存症者が禁酒して人生をやり直すのとよく似ています。 重度のアルコール依存症者はせっかく何年も禁酒していたのに、娘の結婚式であまりにもめでたいから、「1杯だけなら……」とビールを飲んで、そこからまた以前のアルコールまみれの生活に戻るというようなケースがよくあると言います。 不誠実な人もそれと同じで、たった1回でも誠実さに欠いた行いをしたことによって、そこから以前のダメな自分に逆戻りしてしまうんですよ。普段から誠実に生きることを心がけている人からすると、この現象は意味が分からないことかもしれませんが、基本的に人間は、不誠実に生きる方が楽なのです。 厳密には、不誠実に生きることに味をしめてしまうと、そこから抜け出すのが非常に難しくなるんですよ。なぜ抜け出せなくなるのかと言うと、本能のまま快楽や刺激を得たり、都合の悪いことに向き合わず逃げる方が楽だからなんですね。 浮気したら、刺激的だったしセックスも気持ちよかった。嘘をついてやり過ごすことができたから、正直に話さなくて良かった。不義理をしても、適当に謝ったら許してもらえた。人が傷ついても自分は傷ついてないし、助かったと思った。都合の悪いことが起こったとき、逃げた方が楽だった、などなど。 このように不誠実な行いの数々に味をしめてしまうと、誠実に生きるのが馬鹿らしくなってしまうわけです。 これが、不誠実に生きた方が人間は楽だとお話した理由です。
「俺は変わった」は信用してはいけない
人が本当に変わるためには、年単位の年月が必要 今までものすごく誠実に生きてきた人でも、損することが続いたり、不誠実な人間が幸せそうにしているのを目の当たりしたりすると、自分の生き方に疑問を持つ場合がありますから、誠実に生きる方が実は大変なんですよね。 たとえば、浮気癖がある男性が、本気で誰かのことを好きになったらその女性一筋になると思っている人がよくいますが、恋愛感情だけで人が誠実に生まれ変わることはほとんどありません。 100%ないとは言い切れないけど、限りなくその数値に近いと思った方がいいでしょう。浮気は「する・しない」じゃなくて、「できる・できない」になるからです。 それから、不誠実に生きてきた人が、たった数ヵ月誠実に生きたぐらいでは、生まれ変わったとは言えないです。このケースに限らずですが、その人が本当に変わったかどうか分かるのって、年単位の年月が必要になります。 あと、「俺は変わった」「私は変わった」という自己申告は、あまり当てになりません。本当に変わったのだとしても、これは変わった状態がまだ定着してませんし、この変わった状態が定着したら、その自分でいることが当たり前なので「変わった」とは言わないです。