侍・井端弘和監督が明かした 台湾とのプレミア12決勝で戸郷続投を選んだ理由
侍ジャパン・井端弘和監督(49)が新春インタビュー後編で、2026年WBCに向けて巨人勢に期待を寄せた。昨年のプレミア12に招集した戸郷翔征投手(24)を決勝・台湾戦で続投させた理由や、今季チームでは8回を担う見通しの大勢投手(25)に言及し、選手選考の展望を語った。(取材・構成=岸 慎也) 26年、WBC連覇に向けて大谷らメジャー勢からは出場へ意欲を示す言葉が相次いでいる。一方で国内組の底上げも不可欠。プレミア12決勝では戸郷に先発を託し、ピンチでも続投させた。そこには大きな期待が込められていた。 「彼は(23年)WBCでは中継ぎ(2試合登板)だった。当然、レベルを上げて先発に入ってきてほしい。予選(1次リーグ)の最後(ドミニカ共和国戦)と決勝。苦しいところの選択をした。決勝も先に(5回に先制ソロ)ホームラン打たれて交代も考えた。(その後3ランを被弾した)結果はこっちのせい。中継ぎの数が不足していたのは事実だけど、ジャイアンツのエース、日本球界のエース候補であるのは間違いない。抑えてほしいと期待を込めて出した。ああいうケースになっても次は抑えてくれる」 代表初選出の井上は初戦のオーストラリア戦に抜てきした。 「緊張感もあった中、6回途中までホームラン1本。5回までと思ったけど、ボールもよかった。途中から中に入ってもらったけど十分仕事をしてくれた。打者も思ったよりみんな差し込まれていた。十分、WBCの候補に入ってくる選手」 抑えには大勢を起用。R・マルティネスが加入した巨人では、阿部監督が8回起用の構想だが、心配はしていない。 「8回、9回は外国人投手が多いので貴重。彼なら8回だろうが、9回だろうと、どうこうなる投手ではない。けがだけ気をつけてやってくれればいい」 故障でプレミア12を辞退した岡本、吉川への評価も高い。 「岡本選手は前回のWBCでも活躍した。当然、同様にチームを引っ張ってほしい。吉川選手は自分が一緒に(巨人でコーチとして)やっている時はシーズン全部の試合出られるような体力もなかった。遠回りはしたけど、本来は(プレミア12に)呼んで見てみたかった。持ち味を十分発揮してくれれば入ってくるだけの力はある」 ソフトバンクから巨人にFA移籍した甲斐にも注目している。 「チームが変わってもすぐなじめると思うし、やっぱり彼の経験は必要かなと」 21年東京五輪では新人の伊藤(日本ハム)、前回WBCでは当時20歳の高橋宏斗(中日)ら新たな力が躍動した。 「そのために(24年3月の強化試合で)大学生を4人も呼びました(※)。新人からもいい選手は、どんどん入れていけたら」 外野はハイレベルの面々が候補に挙がるが、巨人では高卒3年目を迎えた浅野も伸び盛り。選考に先入観は持たない。 「まずは絶対的な成績出すっていうのは大事。岡本選手だって3割、30本、100打点は(高卒)4年目。現時点で2年終わって浅野選手は岡本選手よりいいわけですから。期待はしたいなと思う。(24年ドラフト1位の)石塚とか、いいんじゃないですか(笑)。オコエも、あの体は(魅力)」=おわり= ※24年3月、欧州代表との強化試合で明大・宗山(楽天)、青学大・西川(ロッテ)、関大・金丸(中日)、愛知工大・中村(ヤクルト)を招集。そろって24年ドラフト1位で指名された。
報知新聞社