【ホープフルS みどころ】冬の中山から新たなスターホースが生まれる
第41回ホープフルS見どころ
朝日杯FSと並び、2歳GⅠとして行われているホープフルSの開催が間もなくに迫ってきた。 【予想配信】2歳中距離王者決定戦「ホープフルS」をガチ予想!キャプテン渡辺の自腹で目指せ100万円! かつての出世レース、ラジオNIKKEI杯2歳Sにルーツを持つレースだが、2017年にGⅠとしてなってからも勝ち馬が後に大成するという傾向が続いている。 GⅠに昇格して以来、ホープフルSを勝利した馬で後にGⅠを制したのはサートゥルナーリア、コントレイル、そして先日の有馬記念を制したレガレイラの3頭。 他にもダノンザキッド、ドゥラエレーデがGⅠで上位に食い込む激走を見せるなど、出世レースの名に恥じない成績を残している。 わずか7年でこれだけ活躍馬が現れている正真正銘の出世レースとなったホープフルS。それだけに今年も未来のスターが現れることを期待したい。 そんな今年のホープフルS。主役と目されているのはクロワデュノールだ。 イクイノックス、ソールオリエンスと毎年のように活躍馬を輩出しているトップサイアー、キタサンブラックを父に持ち、母は英オークスで2着に入ったライジングクロスという血統背景を持ち、デビュー前から関係者の間では話題になるほどの素質馬だった。 6月のデビュー戦ではこれまた評判馬のアルレッキーノとの対戦となったが、逃げるアルレッキーノを追いかけながら直線では上がり3ハロン33秒8という素晴らしい切れ味を発揮して快勝し、キタサンブラック産駒の大物として一気に注目されることになった。 そんなクロワデュノールが実力を発揮したのが前走の東京スポーツ杯2歳S。 5ヵ月ぶりの実戦で24キロも馬体を増やしてきたが、その馬体は筋骨隆々でむしろ美しさを感じさせるほどの好馬体に成長していた。 実戦でも好位から先行して流れに乗ると、直線では上がり3ハロン33秒3の切れ味を発揮して完勝。無傷の2連勝で重賞ウィナーの仲間入りを果たした。 新馬、そして東京スポーツ杯2歳Sを連勝してホープフルSに挑む馬と言えば、無敗の三冠馬・コントレイルと全く同じローテーション。 青鹿毛の立派な馬体は同じ父を持つイクイノックスをも連想させるまさに未来のスターホース。初のGⅠでどんな走りを見せるか、そしてその先にはどんな未来が待っているかが早くも楽しみになる存在だ。 先日の有馬記念を見てもわかる通り、この時期の中山の馬場は荒れ気味でかなりのパワーを要求される。 それだけにキャリアの浅い2歳馬には苦しいレースとなるが……そうした力勝負になればマジックサンズが浮上してくるだろう。 夏の函館でデビューした際は出遅れながらもコーナーごとにポジションを上げていき、4角では2番手まで押し上げて勝利。 そのパワーを武器に挑んだ札幌2歳Sでは3番人気に支持されると、中団から勝負所で動いて行きロングスパートを敢行。 直線では内から伸びてきたアルマヴェローチェに並ばれそうになると、外からもうひと伸びして1着。 後の2歳女王を力でねじ伏せた走りはここでも上位の実力となるはず。冬の中山の馬場にも屈せずに、力強い走りで2歳王者の頂を目指す。 このレースをステップにして後にGⅠを制した歴代の勝ち馬を見ると、完成度よりも素質の高さを感じさせる馬が多かった。 その点で言えば、アイビーSを勝利してここに挑むマスカレードボールが2歳王者にふさわしい存在なのかもしれない。 これが最後の世代となるドゥラメンテ産駒の期待馬として夏の新潟でデビューすると、出遅れて後方からのレースを余儀なくされたが、直線では外に持ち出すと半姉マスクトディーヴァも顔負けな末脚を発揮して完勝。 まだまだ荒削りながらもその末脚のキレには目を見張るものがあった。 続くアイビーSではプラス12キロとやや余裕のある馬体だったにもかかわらず、3番手から流れに乗っていくと直線では上がり3ハロン33秒4という抜群の切れ味を発揮して2連勝をマーク。 開催日が1ヵ月ほど異なるが、勝ち時計は重賞である東京スポーツ杯2歳Sよりも1秒も速かった。 ポテンシャルの高さは優にGⅠクラスの逸材であることは疑いようがないマスカレードボール。重賞初挑戦となるこの舞台でも自慢の末脚を武器に突き抜けるだろうか。 6年前のこのレースを制したサートゥルナーリアは今年、種牡馬としてデビューすると今年の新種牡馬リーディングで現在トップの座に就いているという大活躍を収めている。 そんなサートゥルナーリアとの親子制覇を目論むのがクラウディアイだ。 デビュー当時、416キロという小柄な馬体の持ち主だが、スタートから3番手に付けて流れに乗ると、上がり最速の脚を見せて完勝。 続く京都2歳Sではエリキングの3着に敗れたものの、プラス14キロと馬体を増やした状態で中団からよく伸びてくるという成長具合を見せる形になった。 サートゥルナーリアとの親子制覇を果たし、父にGⅠタイトルをプレゼントすることができるだろうか。 2024年を締めくくり、そして間もなくやってくる2025年の競馬界を引っ張る未来のスターホースはこの中から現れるだろうか。今年のホープフルSも目が離せない一戦になりそうだ。 ■文/福嶌弘