30代の会社員です。貯金が「1000万円ある」といったら同年代の友人に驚かれたのですが、他の人と比べて多い方なのでしょうか?
30代になると、将来を見据えて、貯金について考える機会も増えるでしょう。同年代の人たちと比べて自分の貯金額が多いのか少ないのか、気になる方もいるかもしれません。 本記事では、30代単身世帯における平均貯蓄額をご紹介し「1000万円」が多いのか少ないのかを解説します。また、将来のライフプランに備えた資産形成の重要性もご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
30代単身世帯の平均貯蓄額は?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年調査結果」によると、2023年の30代単身世帯における金融資産保有額の平均は表1の通りです。 表1
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年調査結果」を基に筆者作成 少数の高額資産保有世帯によって平均金額は大きく引き上げられるため、「中央値」と呼ばれる、金額を大きさの順にならべたときにちょうど真ん中に位置する値も算出されています。 同調査によると、金融資産を保有していない人が30代では34%いるため、金融資産保有世帯のみと全体では金額に大きな違いがあるのも特徴的です。 また、金融資産保有世帯の預貯金額は、金融資産平均保有額912万円のうち443万円と全体の50%近くを占めます。次点で多かったのが株式の255万円(約28%)、投資信託112万円(約12%)と続きます。この結果からも30代で「貯金1000万円」は多いほうであるといえるでしょう。
30代が資産形成する重要性
30代以降に迎える可能性があるライフステージとして、大きく3つが挙げられます。それは「結婚」「出産・教育」「住宅の購入」です。 まずは結婚についてみてみましょう。株式会社リクルートが実施する「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023」によると、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額は平均327万1000円でした。ご祝儀総額の平均は197万8000円ですが、自己負担額の平均は153万7000円となり大きな金額が必要となります(ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ)。 次に出産と教育についてみてみます。厚生労働省「第167回社会保障審議会医療保険部会」の資料によると、令和4年度の出産費用の平均額は46万8756円でした。なお、この費用は室料差額や産科医療補償制度掛金などの費目を除いた金額です。 さらに出産後もおむつやベビーベッド、ベビーカーなどのベビー用品をそろえる必要があるため、貯金として多くの金額を準備しておく必要があります。 また、子どもは多額の教育費も必要です。株式会社日本政策金融公庫が公表する目安額では、幼稚園から大学まですべて公立の場合で約822万5000円、すべて私立の場合には約2307万5000円となっています。 最後に住宅の購入について確認してみましょう。住宅金融支援機構による「2023年度フラット35利用者調査」によると住宅の所要資金平均額は3920万8000円でした。そのうち手持金の平均額は496万6000円と、住宅購入資金のおよそ12.7%にあたる金額を用意しています。 このように、各ライフステージで多くの金額が必要です。そのため、貯金をして備えておくことは非常に重要であると分かります。