マスク氏の夢「有人火星飛行」、米宇宙政策で優先課題に=関係者
Joey Roulette [ワシントン 8日 ロイター] - 米大統領選でトランプ氏が勝利したことで、選挙戦においてトランプ氏を全面的に支援した米起業家イーロン・マスク氏の有人火星飛行という夢が、次期政権下では国家的な優先課題としてより重みを持つことになりそうだ。複数の関係者が明らかにした。米航空宇宙局(NASA)画主導する有人月探査の「アルテミス計画」は米宇宙政策における位置付けが変わる一方、マスク氏が率いる宇宙企業スペースXは一段と勢いを増すとみられる。 アルテミス計画はスペースXが手掛けるロケット「スターシップ」による月への有人飛行を実現するのが目的で、その後の有人火星飛行の前段階とされている。しかしトランプ氏の宇宙政策に詳しい関係者4人によると、トランプ政権下では火星に重点が移り、向こう10年間における無人火星飛行の達成が目標に据えられる可能性がある。 関係者によると、トランプ政権の移行チームが今後数週間で形成されるのに伴い、今後方針が変更される可能性もある。 専門家によると、有人火星飛行は有人月飛行よりも目標として野心的なだけでなく、リスクを伴い、費用も膨らみそうだという。 マスク氏は大統領選でトランプ氏に多額の献金を行った。トランプ氏はマスク氏がトランプ氏支持を打ち出した数週間後の9月に「月は火星到達のための出発点だ」と述べている。 スペースX、マスク氏、およびトランプ陣営はコメント要請に応じなかった。NASAの広報担当者は「次期政権下での政策変更について憶測を巡らせるのは適切ではない」と述べた。