“ペットと桜” 日中がいがみ合うのは似ているから? 日本人と中国人の違いと複雑な感情
中国にいてこそ感じる“人の違い”
人の意見を聞き、言い方に細心の注意を払い、バランスを取ろうとする日本の社会と比べると、大陸・中国の人は常に自分があり、激しい競争を生き抜くしたたかさが求められていると思う。お金に厳しい、何事にも貪欲、人を信用しない等々の特徴は自分を守るためだという側面も強いだろう。 北京で生活していると、むしろ日本人との違いの方を強く感じるくらいだ。先の大学関係者によると「好き嫌いで片付けるのではなく、相手を知ることが大事だ」という。好き嫌いや善し悪しではなく「違うこと」「違いを理解すること」が肝要だということだろう。 中国でもペットを飼う人は増えているようで、街で犬を連れている人をいくらでも見ることが出来る。良い暮らしをしたいと仕事に明け暮れ、物質的に満たされた後は心を癒やす必要を感じて、犬や猫と生活を共にする。特に都市部ではそんな人たちが増えたのだろう。厳しい競争社会に生きる中国人だからこそ、人との関係にも疲弊しているのかもしれない。 物や金銭の追求から精神的な安定へ。 「中国人が求めるものの推移はかつての日本人と似ている」 という指摘は少なくない。
山崎文博