息を合わせて、若松を出荷トラックに積み込む＝2024年12月5日午後1時1分、兵庫県丹波市山南町坂尻で

　お正月には縁起物の若松を―。日本三大産地の一つとされる兵庫県丹波市山南町和田地区で、正月の生け花に使われる若松の出荷が最盛期を迎えている。

水槽で出荷を待つ若松

　若松は、マツの種をまき、畑に植え替えて3年目で収穫する。草刈り機で刈り取り、手作業で大きさごとに選別し、余分な葉などを取り除いて出荷する。この時期、アルバイト従業員を雇っている農家も多い。 　同町では、坂尻地区を中心に戦後から若松の栽培がスタート。水はけのよい山裾の土地の性質を生かした特産となった。丹波若松生産者会によると、20軒ほどの農家が計約15ヘクタールで栽培しているという。 　大阪、神戸など関西を中心に、名古屋、東京などの市場へもトラックで運送している。同生産者会の古西伸次会長（57）は「年々暑くなるので心配したが、出来は良い。若い人たちにもアレンジメントや門松で使ってもらえればうれしい」とほほ笑んでいた。