米価上昇「消費者も分かってほしい」農家と業者の新米取引の実情 広島のコメ産地で取材
コメ不足の中、徐々にですが、広島県内のスーパーのコメ売り場にも新米が届き始めました。しかし、価格は去年に比べ3割から4割高…、さらに高いコメも目にします。では、産地では、コメはどこへいくらで取引されているのか? 農家はどう考えているのか? 深掘りしました。 【写真を見る】米価上昇「消費者も分かってほしい」農家と業者の新米取引の実情 広島のコメ産地で取材 今月中旬頃になると、コメ不足も解消に向かうといわれていますが、次なる関心は価格です。目にするのは5キロ袋が3000円前後と、去年より3割から4割高くなっているようですが、もっと高いコメもあるようです。 では、産地ではどうなっているのか? この数字をご覧ください。 30キロ8500円。これはコシヒカリ1等の新米に対して県内のJAが農家に支払う前払い金、いわゆる “概算金” の目安です。去年より4割近く高い金額ですが、現実には業者が農家を回って1万円以上の価格で買い集めているという情報もあります。いったい、産地で何が起きているのか取材しました。 新米の出荷を前にコメの等級を決める検査が5日から県内の各JAで始まりました。その会場で農家の一番の関心事となっていたのが、“概算金” の金額です。 コシヒカリ「1等 30キロ 8500円」は去年より大幅アップですが… 農家の人たちの会話 「農薬代と肥料代だけ出るね」 「出るよね」 「油代、機械代は出んけど。ハハハ」 「これが最低基準でしょう」 「この価格が最低限だと思う」 農家の評価は厳しいようです。 コシヒカリ「30キロが1万円以上」で取り引きされていると聞き訪ねたのが、三次市三良坂町です。 「ライスファーム藤原」は、作業受託も含め90ヘクタール近い田んぼでコメを作る農業法人です。代表の 藤原博巳 さんは、県内の大規模農家で作る稲作経営者会議の代表を務めています。 今月3日、今シーズン最初の新米の出荷を前に等級検査が行われていました。JAに出荷しないコメは検査員に来てもらって検査を受けます。 検査員 「カメムシ等なく粒もいい感じに張って、いいと思います。はい、1等で」