石破首相と日銀、じつは「アンチ安倍仲間」で急接近していた⋯!? 水面下で日銀が進めた「石破取り込み作戦」の一部始終
「利上げメガネ」と言われるのか
岸田前首相は「増税メガネ」と綽名され、財務省シンパのレッテルを貼られることを嫌って定額減税やガソリン・電気代補助の大盤振る舞いなどに走った。石破首相の場合、株安を誘発しかねない「利上げメガネ」と言われることを嫌がり、日銀の金融正常化路線の前に立ちはだかる可能性も無きにしも非ずというわけだ。 キシダノミクスの継承を掲げる石破首相に、岸田前首相と同様の利上げ路線支持を期待していた日銀だが、新政権との間合いの取り方は想定以上に難しそうだ。足元では、米国の大幅利下げ観測の後退で再び1ドル=150円を大幅に超えるような円安進行がぶり返す懸念も強まっている。 現実になれば、日銀は市場から追加利上げを催促される展開となりそうだが、石破官邸がすんなりと受け入れるとは限らず、市場と政治の板挟みで身動きが取れなくなる恐れがある。 「国際的に著名な経済学者」の植田総裁と「日銀随一の秀才」である内田副総裁、「霞が関随一のインテリ」という氷見野良三副総裁(1983年旧大蔵省、元金融庁長官)の現執行部は「史上最高頭脳のトロイカ」と評されてきた。一方で、3氏とも政治との折衝に精通しているとは言い難いのが最大のアキレス腱。 新政権との間合いの取り方を誤れば、金融正常化戦略が泥沼に嵌まりかねない。
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)