受注生産でゲットした【UNTITLED.CO】のドレスが可愛い!
あれはもう4年ほど前になるかと思います。インドのブランド「UNTITLED.CO」の画像がインスタグラムに流れてきて「可愛い!」と思わずスクロールする指が止まったんです。それはほかのどこでもみたことのない、花柄のキルト刺繍がほどこされた肉厚なピンクのドレス。サイトに飛ぶと、日本にも発送しているということで、躊躇なくポチりました。この超高速消費時代にすっかりスポイルされていた私は、まぁ1週間くらいで来るだろうとたかを括っていたのですが、甘かった。購入後ブランドから来たメールには、「お買い上げありがとう!これからあなたのドレスを丁寧に作るから3~4ヶ月待っててね」と書かれていました。さ、さんかげつ!?……絶句。 【写真】見るだけでもうっとり。ディテールの凝り具合をチェック でも考えてみたら当たり前ですよね。この見事なキルティング、1点1点手仕事で縫い上げているのだから3ヶ月だったらむしろ早いとも言えるかもしれない。これが、私と「スローファッション」の出会いでした。そうして待っている間は、まだかまだかとサンタクロースからのプレゼントを待つ子供のような気持ちになって、むしろほくほく楽しい気持ちになりました。 ドレスは実はリバーシブルで、リネン生地に、びっしりと花柄の刺しゅうがほどこされています。キルトならではのふっくらとした質感が愛らしいんです。胸元はリボンで結ぶスタイル。 袖口もリボンになっていたり、裾には共布でフリルが重ねられていたりとディテールの凝り具合もすごい。たっぷりと布が使われているので、実はかなりの重量感。まるでお布団を着ているような気持ちになります。 ささっと作られた軽い服をぱぱっと買って、飽きたら捨ててまたそういう服を買う。そんな便利さとスピード感で、服を作る人の労働力と環境を搾取していく消費構造に、やさしく「NO」を突きつけるような「3~4ヶ月待ってね」というメール。UNTITLED.COは、働く人を大切にしながらゆっくり大切に、小規模で服を作っています。受注生産だからもちろん環境負荷も低い。そもそもあらかじめまとまった数を生産するレディ・トゥ・ウェアの場合、余った売れない服はどこに行ってると思いますか?処分されているんです。 クリックしたのち1週間で届くのが当たり前という習慣を見直して、気長に待つ喜びを体験してみませんか。服への愛着もより高まります。スローファッション、やってみると結構いいものですよ。 ◇エディターITAGAKI