ダムの水面を覆いつくすウオーターレタス「ウキクサ」が80ヘクタールに大繁殖 除去費用2億円超の予算が足りない懸念も
■80ヘクタールにまで拡大 県によると、7月に、40ヘクタールだったウキクサの繁殖範囲は、現在、その2倍となるおよそ80ヘクタールにまで拡大しているという。 (都城土木事務所・鏡園義幸課長) 「外来種の繁殖力の強さにびっくりしているところ。今年の夏が非常に暑かったということ、それと岩瀬ダムの貯水池の位置、周辺の環境が水質に与える影響などが相まって(繁殖した)」 岩瀬ダムの周辺では、現在、重機を使った作業が行われている。 (都城土木事務所・鏡園義幸課長) 「(ウキクサを)陸揚げをするための事前の準備として現地にヤード(広場)の確保をしているところ」 県では、1月から、専用の船を使ってウキクサの除去を始めることにしている。 その費用として2億1600万円の補正予算が組まれたが… (都城土木事務所・鏡園義幸課長) 「私達も想定する以上に繁殖力が強くて広がってしまったということで予算が足りないのではないかっていうところも懸念されるところですけれども、まずはコスト削減ということも考えていて、ウキクサを一時仮置きする場所を近くに確保するということを考えていて、最終的に搬出するのは後ほど検討していく」 県ではウキクサの繁殖が再び始まる4月から5月までには、作業を完了させたいとしている。 ただ、他県の例を踏まえると、根絶は難しいのが現状で、専門家は、こうした植物は根絶させるのではなく、人や野生生物、産業に影響を及ぼさない程度に、低い密度でコントロールすることが重要だとしている。 県では、ウキクサ撤去完了後の対策として、 (1)早期に発見し、早期に回収するため、特に夏場は巡視頻度を増やすほか、漁協などにも協力してもらう。 (2)ダム周辺に看板を設置し、外来種のウキクサを持ち帰ったり捨てたりしないよう 呼びかけている。 また、ボタンウキクサを持ち帰ったり、育てたり販売することは法律で禁止されている。 ※2024年8月公開の 増殖しすぎてドローンで全体を映せない 数ヶ月でダムの水面を覆いつくした緑の正体は「特定外来生物」に追加取材したものを加えて再構成しました。
宮崎放送