ダムの水面を覆いつくすウオーターレタス「ウキクサ」が80ヘクタールに大繁殖 除去費用2億円超の予算が足りない懸念も
■クローンとして繁殖 なぜ、ボタンウキクサが爆発的に増えてしまったのか。 南九州大学環境園芸学部の山口健一教授に8月に現場を見てもらうと・・・ (南九州大学環境園芸学部・山口健一教授) 「ここの特徴というのは一つ一つの個体がかなり大きいので、もしかしたら窒素とか、リン、この雑草が増える栄養素というのがいっぱいあるのかもしれないですね」 ボタンウキクサの最大の特徴はその繁殖力の強さ。 花を咲かせて種をつけるため、風や水、動物、人間などによって拡散されるほか、 水の中で横に茎を伸ばし、その先に新たな株をつけて増殖するという。 (南九州大学環境園芸学部・山口健一教授) 「水平方向にね、次々クローンとして繁殖をします。ですから、あっという間にこのように水面全体がボタンウキクサによって覆われてしまいます」 そして大繁殖の要因のひとつとして、水の温度も関係しているという。 (南九州大学環境園芸学部・山口健一教授) 「基本的には、ボタンウキクサの場合は10℃を超えるとストロン(水平方向の茎)を形成して増殖をするということなんですけども10℃を下回ればいいかというと必ずしもそうではなくて10℃を下回ったとしても、どこかで数株は冬越しをしてしまう個体が出てしまいます。そうすると、彼らの生き残り戦略で次の年はこのような状況になってしまいます」 さらに、ボタンウキクサの間から縦に伸び、紫色の花を咲かせているホテイアオイも同様に繁殖力が強い植物だ。 ■大繁殖したウキクサは現在どうなっているのか 2024年12月、調査班は 再び岩瀬ダムの上空に向かった。 (垣内記者) 「小林市の岩瀬ダム上空に到着しました。夏に確認したときは、青々とした緑色だったウキクサですが、現在は、茶色く変化しています。そして、その繁殖の範囲ですが、上流側にかなり広がっているように見えます」 さらに・・・ (垣内記者) 「支流にも広範囲にウキクサが広がっています。こちらは、青々とした緑が健在です」