辻元清美氏の苦言連発、石破首相は耳痛かった?「つまらない政治家にならないよう自重します」
立憲民主党の辻元清美参院議員は3日、参院本会議で行われた石破茂首相の所信表明演説に対する代表質問で、首相が演説の中で触れた石橋湛山元首相の生きざまに言及しながら「総理はこのままでは、湛山氏のいう『つまらない政治家』になってしまうのではないか」と、指摘した。 辻元氏はもともと、石破首相と長い間、親交がある。「石破総理と私は20年以上にわたり、建設的な議論をしてきたと思っている。だから、石破さんが苦労してやっと総理になられた時、私、ちょっとうれしかったんです」と、5度目の自民党総裁選挑戦で首相の座にのぼりつめた石破首相への素直な心境を吐露した。 そんな関係にある首相に対し、辻元氏は石橋湛山と比較しながら言及。「総理が所信表明で触れられた石橋湛山は、体制にあらがい、総理大臣になっても信念を曲げなかった。でも私には、総理大臣になってブレまくっている石破総理と石橋湛山氏は、正反対に見えてしまう」と苦言を連発した。 「石橋湛山氏は『政治家にはいろんなタイプがいるが、いちばんつまらないタイプは自分の考えを持たない政治家だ』と言っている」と指摘しながら、首相就任前の持論を封印し、前言撤回も相次ぐ首相に対し「総理、このままでは、あなたはブレまくりの、湛山氏のいう『つまらない政治家』になってしまうのではないですか」と語りかけた。 辻元氏はまた、「『正論・石破』の精彩を欠き、まるで別人のように見える。残念です」と述べ「ただの評論家総理で終わってしまうんですか。石破総理は、ただ総理になりたかっただけなんですか。国民も、石破さんならブレずに自民党のうみを出し切って改革してくれると期待していたから、人気が高かった。その石破さんが総理大臣になって自民党のしがらみにがんじがらめになって何も変わらないなら。もうどなたが総理になっても自民党政権では真の改革は難しい」とピシャリ。「その時は私たちが代わってやります」と、叱咤(しった)激励もまじった指摘をした。 辻元氏に対する答弁冒頭、石破首相は「辻元議員にいろいろご示唆に飛んだ指摘を受けた」と、口にする場面も。「よくよく私としても受け止め、反省し、あらためていかないといけない」と述べた。 また、辻元氏の「ただ総理になりたかっただけなんですか」の指摘を念頭に「議員になることも閣僚になることもそうだが、すべては手段であり目的ではない。そこを混同してはいけないことはよく分かっている」と応じ「つまらない政治家にならないよう、自重していきます」と、素直に応じた。