<私の恩人>「中川家」剛、病気のこともイジる…さんまの“愛のムチ”!
その番組をきっかけに、他の番組でもさんまさんとご一緒するようになったんですけど、さんまさんがすごいのは“どんなことでも笑いにする”こと。文字にすると簡単にも思えるんですけど、徹底してらっしゃるんです。 結婚のお祝いをいただいた時も、祝儀袋の裏に「人生アホ代」と書いてあるんです。詳しいことは何も言わず「そういうこっちゃ」とだけ言って渡されたんです。 これまでのさんまさんの考えを見て、僕が思ってる解釈は「芸人なんやから、仮に、この結婚がダメになったとしても『アホやから、失敗しました…』でエエやないか。それを笑いにしたらエエやないか」という思いを込めて、いただいたのかなと思っています。 よく、さんまさんの収録が長いと言いますよね。1時間番組やのに、3時間しゃべりっぱなしだったとか。あれには、理由があるんです。 例えば、若手が10人出てきたとしたら、10人全部活かすまでやめないんです。10人全部のいいところを引き出すまでやめない。正直、10人いたら、丁寧に3人活かしたら、十二分というか、それでも放送ではカットされる部分だらけやと思います。それなのに、10人活かすんです。そのパワーと優しさ、これはとてもマネはできないですし、“すごい”としか言いようがない。 恩返しなんてホンマにおこがましいですけど、1つだけ思ってるのは、さんまさんをイジり倒せたらなと。今は基本的にはさんまさんが周りをイジったり、ツッコんだりしてますけど、僕らくらいの世代がさんまさんをイジり倒すことによって、また違うさんまさんの形が出てきて、70歳になっても、もっと歳をとっても、ずっといてくださるかなと。 後輩にイジられるパターンで、また次のさんまさんが始まるというか。もちろん、それをご本人が望まれるかどうかは分かりませんけど、今、僕が考えられる恩返しは、それが精いっぱいです。 (聞き手・文/中西正男/株式会社KOZOクリエイターズ) ■中川家・剛(なかがわけ・つよし) 1970年12月4日生まれ。大阪府守口市出身。本名・中川剛。大阪NSC11期生。同期は陣内智則、ケンドーコバヤシ、たむらけんじら。92年、弟の礼二と「中川家」を結成。2001年に行われた漫才バトル「M-1グランプリ」で優勝。上方漫才大賞など受賞多数。MBSテレビ「痛快!明石家電視台」、読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」などに出演中。恒例イベント「中川家の特大寄席」を東京・ルミネtheよしもと(8月24日)と 大阪・なんばグランド花月(同31日)で今年も開催する。 ■中西正男(なかにし・まさお) 1974年、大阪府生まれ。大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。大阪報道部で芸能担当記者となり、演芸、宝塚歌劇団などを取材。2012年9月に同社を退社後、株式会社KOZOクリエイターズに所属し、芸能ジャーナリストに転身。現在、関西の人気番組「おはよう朝日です」に出演中。