<私の恩人>「中川家」剛、病気のこともイジる…さんまの“愛のムチ”!
ガッチリしゃべるのも初めて。その第一声が「パニックマン!!」。共演者の方々も、スタッフさんも、ほぼ全員そろってる中で、いきなりそれです。それこそ、パニックになって、アワワとなってたら、矢継ぎ早に「聞いたで、パニック障害とかいう病気らしいな。でも、ま、しゃあないやろ。なってしもたんやから。いや、俺もよく分からんねんけど、こいつ、パニック障害という病気やねんて。そうや、お前“パニックマン”というコントでもしたらエエねん!額に“P”の文字をつけて、困ってる人を助けに行ったけど、手が震えてパニックになるという設定で」と。 「なんちゅうことを言うんや…」という思いもありましたけど、周りとしたら、僕の病気のことも知っているものの、どう接したらいいのか、迷ってる部分があるわけです。イジっていいのか悪いのか。言った方がいいんだろうけど、病気のことだしなぁ…という。 そんな空気の中、全員がいる前で、さんまさんがイジってくれることで、すべてが、いろいろな意味で、OKになるわけです。一瞬で、全部がほぐれるというか。あそこで、あのトーンで、さんまさんが言ってくださったのが本当にありがたかったです。 ま、それでも、もちろん緊張はしますわね。礼二までも、服着たままシャワーでも浴びたんかというくらい、汗をかいてました。 すると、さんまさんが僕らに「緊張してんのか」と。「…ハイ、緊張してます」と答えると「緊張してたらしてたでエエやないか。それはそれでおもしろいん やから」とおっしゃったんです。 その言葉で「あ、このままいこう」と。スッと、一瞬で気持ちが変わりました。さらに、さんまさんが言葉を続けました。 「緊張しててもいい。怖くて仕方なくてもいい。手が震えててもいい。どんな状況でも、前に出てくるヤツには、俺が必ず責任を持つ。どうにかする。だから、何でもエエから出てこい」。 おかげさまで、この日のオーディションで合格し、レギュラーとして番組に出してもらえるようになりました。