500系新幹線、スペースシャトル……『ざんねんなのりもの事典』愛すべき「ざんねん」な乗り物の魅力とは?
愛すべき「ざんねん」な乗り物たちを一冊にまとめて紹介した『ざんねんなのりもの事典』(講談社)が発売された。どこか「ざんねん」だけど、応援したくなる乗り物の数々が満載だ。 【写真】どこか人間の生き方にも通じる?「人間くさい」乗り物たち この本に登場する「ざんねんなのりもの」は別に不出来な乗り物というわけではない。その多くは、すぐれた性能や将来性を持っていたのに、時代のニーズや期待などからズレてしまい、充分な活躍ができなかった乗り物たち。乗り物好きなら皆が知っているような超音速旅客機コンコルド、500系新幹線、スペースシャトルなどもかけられた期待が大きかったゆえに、かえって残念な面が目立つのりものとなってしまっているだけ。 「ざんねん」な乗り物たちは、残念になってしまった理由もまたいろいろ。デザインはいいのに壊れやすくほとんど稼働していなかったり、作るのにお金がかかりすぎて利用料金が割高だったり、利用するのがとても不便だったり……。作り手は大マジメなだったはずなのに、どこか上手くいかない乗り物たち……、そんな哀愁あふれる姿はどこか私たち人間の生き方にも似ている部分があるようにも思える。 「ざんねんなのりもの」は、そうなりたくて生み出されたわけではなく、もともとは世の中や利用する人々が便利になれば……、そう思って生み出された乗り物だ。本書では、思うような姿になりきれなかった乗り物たちを、開発した技術者や利用者の思いを汲みつつ1台1台をすべてイラスト付きの見開き2ページずつで紹介。本書を読めば、本当に「ざんねんなのりもの」たちも、応援したくなる乗り物に思えてくるはず。
文=リアルサウンド編集部