都知事選「小池VS蓮舫」の“頂上決戦”という大勝負 女性総理候補が激突「200万票台の競り合い」に
蓮舫氏は2028年参院選東京選挙区の改選組だが、改選定数6の同区では現時点で補選対象にならず、2025年夏の参院通常選挙に併せて非改選組の欠員を補う「合併選挙」が実施される見通しだ。 蓮舫氏の挑戦に対し、小池氏は27日、視察先の八丈島で記者団に対し「報道で伺ってそれ以上の詳しいことは存じ上げていない」とことさら平静を装った。ただ、周辺には「絶対に負けられない。過去8年の実績には都民の評価もあり、(蓮舫氏の)批判のための批判は論破する」(側近)と対決姿勢を鮮明にしているとされる。
その一方で小池氏は28日午前に都庁で記者団に「29日から都議会が始まる。現職知事としてしっかり取り組みたい」と出馬は明言しなかった。その後、都民ファーストの会と公明党から、さらに都内の自治体トップの有志らから、相次いで出馬要請されたが「重く受け止める」と語った。小池氏としては29日の都議会定例会開会時に出馬宣言するとみられている。 ■静岡知事選や目黒都議補選で出馬決断 今回の蓮舫氏出馬決断について、立憲幹部は「26日の2つの選挙での立憲勝利がある」と解説する。その1つは、事実上の与野党対決だった静岡県知事選で、立憲と国民民主党が推薦した鈴木康友前浜松市長(66)が接戦を制したこと。もう1つは、同じ26日実施の都議補選(目黒区=欠員2)で、立憲の候補が激戦を勝ち抜き、小池氏が支援した自民候補が落選したことだ。
蓮舫氏自身は出馬会見で決断の時期について「ごく最近」ととぼけたが、「最近の各種選挙での自民不振を受け、今の政治状況なら当選のチャンスがあると判断した」(立憲幹部)のは間違いない。同氏は永田町だけでなく全国的知名度でも小池氏に引けはとらない。ここ数年の国会論戦でも、岸田首相や主要閣僚らへの鋭い追及の場面は、情報番組を軸に各メディアが大きく取り上げるケースが目立っている。 そうした状況も踏まえ、現段階での「小池VS蓮舫」を予測すると、「過去に例のない200万票台の競り合い」(選挙アナリスト)とみる向きが多い。というのも、蓮舫氏は、前回2022年参院選では、改選議席6の東京選挙区で、約67万票の4位当選。その一方で、民主党政権だった2010年参院選東京選挙区では2位の倍以上の約171万票でトップ当選している。このため、「今回、立憲、共産両党に下支えと無党派層の取り込みに成功すれば200万票の大台に手が届く」(同)可能性は十分だ。