中国の貨物船、台湾沖で航行不能に 海巡署が中国人乗組員17人を救助
(新北、高雄中央社)台湾北部の海域で29日、中国の貨物船「鈺洲啓航」が航行不能となるトラブルがあり、通報を受けて駆けつけた海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)の巡視艇が中国人乗組員17人全員を救助した。同委の管碧玲(かんへきれい)主任委員(大臣)は同日、フェイスブックに「海巡署は両岸(台湾と中国)人民の幸せをつくり出す部隊であることを証明した」と投稿した。 海巡署などによれば、貨物船は同日午前7時57分、北部・基隆市の基隆港を出港し、中国・福建省の漳州に向かう予定だったが、荷役用の大型クレーン3基を積載していたことや、台風21号による風や海流の影響を受け、北部・新北市野柳岬沖で航行不能となった。その後、陸地に向かって流されたため、いかりを下ろして関係機関に救援を求めた。 だが、海が荒れた影響で救援に向かったタグボートが折り返すなどして作業は難航。夜には風雨が強まったため、貨物船の船長は船体の放棄を決め、午後9時41分までに海巡署の巡視艇が貨物船の乗組員全員を救助した。 管主任委員によると、波の高さは約5メートルあり、作業は困難を極めたという。 今月14日には基隆港で、この貨物船から陸揚げ中だったクレーンが、岸壁に設置されていた別のクレーンと衝突。岸壁のクレーンが倒壊し、地上のコンテナ5個が破損するトラブルが起きている。 (王朝鈺、張已亷/編集:齊藤啓介)