「PayPayで賽銭」全国7カ所で対応。港区・増上寺担当者「気持ちを込めていれば問題ない」
PayPayは12月23日、神社や寺院での賽銭に「PayPay」が利用可能になったことを発表した。 【全画像をみる】「PayPayで賽銭」全国7カ所で対応。港区・増上寺担当者「気持ちを込めていれば問題ない」 PayPayユーザーは現金を持っていなくても、PayPayでの賽銭に対応した寺社なら賽銭を納めることができる。 すでに東京都港区の浄土宗大本山増上寺(以下、増上寺)など、一部の寺社では導入済み。12月末までに、以下の神社や寺院で導入される予定だ。 2024年12月末までの導入予定(2024年12月23日時点) 稲毛神社(神奈川県川崎市) 熊野若王子神社(京都府京都市) 浄土宗大本山増上寺(東京都港区)※導入済み 総本山四天王寺(大阪府大阪市) 大本山本能寺(京都府京都市) 天恩山五百羅漢寺(東京都目黒区) 東別院(愛知県名古屋市)※導入済み 今回は、PayPayでの賽銭に対応した増上寺に足を運び、実際の手順や導入背景などを取材した。
店でPayPayを使う手順とほぼ同じ
PayPayで賽銭を納める手順は、通常、店でQRコードを読み取って支払いをする場合とほぼ同じだ。 スマホでPayPayアプリを開き、ホーム画面の「スキャン」を選択。カメラが起動するので、寺社に設置されているQRコードを読み取ると、賽銭用の画面が表示される。 納めたい金額を1円以上入力し、「お気持ちを送る」を選択すると、賽銭としてその金額が寺社に送金される。 なお、PayPayで賽銭を納める場合、ユーザーは本人確認(eKYC)を完了している必要がある。そして、賽銭として納められるのは、銀行口座やATMなどからチャージした「PayPayマネー」のみだ。 クレジットカードでチャージした「PayPayマネーライト」や「PayPayポイント」は、賽銭として使えない。 また、賽銭の金額に対して、PayPayポイントは付与されない。利用状況に応じてポイント付与率が上がる「PayPayステップ」も対象外となる。
賽銭は「決済」ではなく「送金」
PayPayが賽銭に対応した背景には、法人向けビジネスアカウントの範囲拡大がある。 PayPayでは2024年8月から、寄付団体や寄付サービスを運営する企業がPayPayの法人向けビジネスアカウントを作り、寄付を募れるようになっていた。今回、同様の仕組みが賽銭にも拡大した形だ。 ビジネスアカウントの作成時には、PayPayが企業・団体と対面で実態調査を実施する。 また、ビジネスアカウントの作成後も、疑わしい取引のモニタリングや募金実績の確認し、ユーザーが安心して利用できるようにしている。 なお、ユーザーがPayPayで寺社に賽銭を納めることは、「決済」ではなく「送金」という扱いになる。 決済ではないので加盟店の手数料とは異なるが、法人・団体側には手数料が発生する。ただし、金額や料率など詳細は公表されていない。 PayPayは、寺社側のメリットとして、現金回収・銀行振込が不要になることや、盗難などのリスク軽減を挙げている。
房野麻子