167cmの桂川有人はなぜ飛ぶ? 目澤秀憲コーチが明かすスイング改造の舞台裏
◇国内&欧州男子ツアー共催◇ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 最終日(28日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70) 【画像】目澤秀憲が世界1位のスイングを解説 桂川有人の飛距離大幅アップに驚いている人は多いに違いない。167cmは日本選手の中でも小柄。海外勢に混じるとひと際小さく見えるが、ひとたびドライバーを振れば、その屈強な選手たちをアウトドライブする。平均飛距離は300yd以上。もともと飛ばし屋のイメージはなかったが、昨年からどのように飛距離を伸ばしてきたのだろうか。(取材・構成/服部謙二郎)
目澤秀憲コーチとスイング修正に着手
「目指したいスイングとそれに対してのトレーニング、そしてクラブフィッティングの全てがハマった」と話すのは、昨年12月に桂川のコーチに就いた目澤秀憲氏。「スイング、体、クラブ、まさに三位一体。今はすべてがいい方向にいっています」と、取り組みに手ごたえを感じていた。
桂川の「もうちょっと飛ばしたい。距離の階段をちゃんと作りたい」というリクエストを受け、まず『ギアーズ』というスイング解析機を使ってスイングのエラーを洗い出すことから始めた。「体の動きをみると、けっこうリバース(トップで左に倒れる動き)していて、横の移動が上手く使えていなかったんです。それによってひざも流れやすく、うまく地面を踏めていませんでした。入射角が鋭角になりやすく、スピンも増え、なかなか距離は出せない状態でした」。桂川の求める飛距離アップには、大幅なスイング修正が必要だった。
理想のドローボールを求めて
では、具体的にどのような改善策を施したのか。「これまではフェード一辺倒で、ドローが打てるスイングではありませんでした。打てたとしても低いドローになってしまって、試合で使える球ではなかった。スイングを良くする意味でも、飛距離を上げる意味でも、コントロールしたドローが打てるスイングを目指してもらいました」
ドロー習得にあたり、桂川に起きていたエラーを改善していった。「リバースしていたのを、軸がセンターのやや左ぐらいにくるようにして、横移動を増やしました。さらにキャスト(アーリーリリース)する動きもあったので、バックスイングでちょっと手を遠くに上げるようにし、手と体の距離をとって下半身から動かす練習をしてもらいました。結果、キャストの動きが減り、体を使ってしっかり振れるようになりました」