「スキーへの愛を高めたい」 長野冬季オリンピックの金メダリスト、原田雅彦さんが全日本スキー連盟の新会長に就任
1998年長野冬季五輪のノルディックスキー・ジャンプ団体の金メダリスト、原田雅彦さん(56)が10月、全日本スキー連盟(SAJ)の会長に就任した。選手時代からの親しみのある人柄は変わらない。「スキーへの愛を少しでも高めたい。恩返しです」と意欲的に話した。(共同通信=三木寛史) ―歴史あるスポーツ団体のトップに。 「重責だと思いますよ。私、競技しかしてこなかったですが、SAJは会員様が約7万人の大きな組織。会長と言われるとちょっとかゆい感じがします。ただ会長は今までお堅い存在だったわけですが、私は皆さんとスキーの仲間として近い関係になり、話をしたいです。言いづらいことも言っていただき、私を利用してもらい、より開かれた組織になっていけばいいと思います」 ―2022年北京五輪で日本の18メダルのうちスキーで8個。今季は26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けてのシーズンとなります。
「ジャンプの小林陵侑(チームROY)は(来年の)世界選手権もミラノ五輪も金メダルを取る力があります。年齢的にも一番いい時期にいます。若手がもっと出てきてほしいですが、二階堂蓮(日本ビール)ですとか力を付けてきています。話題性で言えば“レジェンド”葛西紀明(土屋ホーム)もそう。女子の高梨沙羅(クラレ)と伊藤有希(土屋ホーム)にも期待しています」 「スノーボードは次から次へ選手が出てきて、ものすごく層が厚いです。その中でも平野歩夢(TOKIOインカラミ)が技の難度をさらに高めて挑んでくるでしょう。これも金メダル候補です。アルペンの復活はスキー産業にとっても鍵になります」 ―何か策は? 「現場からは(特定種目に絞るのではなく)幅広く強化をするべきだという声が上がっています。トップ選手だけではなくジュニア選手の強化は欠かせないという声も。そのためにワールドカップ(W杯)下部大会の日本招致を積極的にしたいと考えています。お金はかかりますが、われわれが少しでも負担を減らせるように、少しでも多くの理解者を集めていきたいです」