「スキーへの愛を高めたい」 長野冬季オリンピックの金メダリスト、原田雅彦さんが全日本スキー連盟の新会長に就任
―温暖化の影響などでスキーをする環境が悪くなっていますが。 「雪がなければ、われわれが一番打撃を受けます。私、日本オリンピック委員会(JOC)では環境に取り組む委員でもあります。ゴミを減らすなど身近なところからスポーツ界が率先して取り組んでいきたいですね」 ―2030年札幌五輪招致がなくなりました。 「現場の指導者のモチベーションも下がっています。強化も普及も目標を持つことが全体のまとまりになると思います」 「今回(の招致)は札幌市さんが先頭に立ってやっていただいたが、ちょっと任せきりになってしまいました。だから次(38年大会以降)は(行政と一緒になって)スキー界、スポーツ界が、やっぱり日本で冬季五輪をやるんだと先導していけば、国民の理解も進むのではないでしょうか」 「スポーツに厳しい目が向けられていますが(五輪は駄目だよという空気をぬぐい去るのは)われわれが一生懸命プレーし、競技の魅力を伝えることだと思います」 ―1994年リレハンメル五輪の団体は、ラストジャンパーの原田さんが大失敗し、日本は首位から転落して銀メダルでした。長野五輪の金メダル、2006年トリノ五輪では体重管理のミスで失格―。山あり谷ありの競技人生でしたね。
「それらを楽しみながらスポーツ人生を歩めたと思います。それで成長できたので、本当に悔いはないです。だから選手や会員様には、人生はいろいろあるんだよ、と伝えたいです。そういう思いを共有し、スキーというくくりで(谷があっても)みんなで乗り越えていきたいと思います」