代表選出のカギは“メジャー戦績”? 開催まで約2カ月に迫った「パリオリンピック2024」男子・女子ともに熾烈な代表争いに注目!
開催まで2カ月に迫った「パリオリンピック2024」(以降「パリ五輪」)。開催コースはル・ゴルフナショナル。男子が8月1~4日、女子が7~10日に行われる。熾烈な各国の代表争いに注目!
男女ともメジャー戦績がカギに
パリ五輪ゴルフ競技は男女各60人が出場。国際ゴルフ連盟(IGF)によって定められるオリンピックゴルフランキング(OGR)に基づき決定される。OGRは世界ランキングをもとにしており、男子は6月17日、女子は24日時点のランキングで決まる。開催国のフランスには男女各1名の出場枠があり、残り59名の出場枠を争う。出場権は上位15人の選手に与えられ(各国最大4選手で)、その後各国2人を上限に(上位15位までの選手を含む)、16位以降の選手から59人に達するまで選手が選ばれる。辞退した場合は再分配予備リストの公表がある。 ランキングは各選手が2年間で得たポイントの平均で決められ、直近13週間のポイントは100%で加算され、それ以前の91週間は1週間ごとに1.1%ずつポイントが減らされた状態で加算される。平均ポイントは、総獲得ポイント数をその期間に出場したトーナメント数で割って算出される。この分母の数(試合数)には試合数の少ないプレーヤーが有利にならないように制限があり、女子の場合は少なくとも35(1試合の出場でも35で割る)、男子の場合は最小で40、最大で52となる。
男子は世界で24のツアー、女子は11のツアーが対象。ポイントはフィールドの強さによって試合ごとに変わる。メジャー大会の勝者には100ポイント入るし、たとえば男子でいうと、各ツアーの23年の優勝者平均獲得ポイントは、PGAツアーが43.79、コーンフェリーツアーが12.57、DPワールド(欧州)ツアーが22.44、日本ツアーが6.67である。今回のデータは6月4日時点のもので、この後の対象試合は、米男子が3試合(全米オープン含む)、欧州男子が2試合、日本男子が3試合(ツアー選手権、日韓共催含む)、米女子が3試合(全米女子プロ含む)、日本女子が4試合。男女ともメジャーの結果が大きく反映しそうだ。 男女とも、世界ランク上位を占めるアメリカ勢が4名の枠を獲得できそうだし、日本は2番手争いがもっとも熾烈な国と言える。世界の男子ツアーに詳しい解説者の佐藤信人は、「男子は全米オープン終了後のランキングで決まる。久常くんはPGAが主戦場でポイントも高い。でも全米オープンには金谷くんも出場するので、まだまだわかりません。星野くん、中島くんは欧州ツアーが主戦場ですからPGAよりポイントはかなり低いですが、優勝したり2位に入れば……1試合1試合が大事です」。 日本男子オリンピックランキング(6月5日現在) 松山英樹●3.5426(159.41686/45) 中島啓太●1.4151(67.92607/48) 久常 涼●1.3133(68.29183/52) 星野陸也●1.1163(58.04974/52) 金谷拓実●1.0159(50.79498/50) 世界の女子ツアーに詳しい解説者のレックス倉本は、「アメリカでプレーしているほうが有利。世界ランキング上位選手が多いので、必然的にフィールドが強くなりポイントが大きくなる。もう1つ、日本女子は試合が多く、日本を主戦場にしている人は70近い分母になる。米女子の選手たちは50前後です。メジャーで同じポイントを獲得しても分母が少ないぶんだけ平均ポイントが大きくなる。畑岡さんなら2年間で52、山下さんは70 。古江さんは63出ているけど、笹生さんが50で岩井千怜さんが75。20近くも違う。そこで有利不利というのはあります」。 日本女子オリンピックランキング(6月5日現在) 笹生 優花●4.80(239.85/50) 畑岡 奈紗●3.43(178.53/52) 古江 彩佳●3.26(205.32/63) 山下美夢有●3.20(224.22/70) 竹田 麗央●2.23(151.49/68) 岩井 明愛●2.20(158.59/72) 岩井 千怜●2.12(158.84/75)