代表選出のカギは“メジャー戦績”? 開催まで約2カ月に迫った「パリオリンピック2024」男子・女子ともに熾烈な代表争いに注目!
「オリンピアンの楽しみを感じる選手が多いんです」(佐藤信人)
日本は松山くんが出るとすればほぼ決まりで2番手争いが熾烈。今回の全米プロとDPワールドツアーの成績で中島くんと久常くんの世界ランクは5つ(ポイントは0・1)差になりました。久常くんはフランスオープンで勝ったコース、中島くんはプロ転向する前の世界アマで彼の実力からしたら不甲斐ない成績となりリベンジしたいコース。星野くんは東京五輪でオリンピックの雰囲気を味わい今度は有観客で本当の雰囲気を感じるためもう1回! という思い、金谷くんは東京で惜しくも次点となったので悔しい思いがあるはず。皆それぞれにアツい思いがあり、出たいと公言しているので楽しみです。松山くんも東京五輪で銅メダルのプレーオフで敗れた悔しさはあるでしょうし。 アメリカは、シェフラーと全米プロで優勝した前回金メダリスト、シャウフェレは当確でしょう。2人とも五輪出場を明言。残り2枠は、その後に僅差で続くので、メジャーなどの結果で変わる可能性があります。シャウフェレは父が五輪を目指していたしフランスは父の半分の血の土地でもある。相当思いはあるはず。東京で銅メダルのプレーオフで敗れたモリカワも今度こそという思いでしょう。 今回は、毎年欧州ツアーを開催する、また18年のライダーカップのコースでもあるので、欧州勢は思いが強いはず。マキロイは、リオは興味ない感じでしたが東京に出て「やっぱりすごい。これから先も出たい」と言っていましたし、母国開催のフランスはマチュー・パボンが当確で、2番手争いが熾烈。2番手のビクトル・ぺレスはPGAで戦っているし、3番手4番手のアントワン・ロズナーとロマン・ロンガスクは前回の東京五輪の代表でもあり絶対に出たいでしょうから、残りの試合は気合いが入っているでしょう。 韓国のトム・キムは兵役免除のためメダルが欲しいはず。昨年わざわざフランスオープンに出たのは下見だと思います。アン・ビョンフンも両親が五輪選手ですからアツい思いのはず。続くイム・ソンジェとキム・シウは、東京五輪に兵役免除のため全英をスルーしてまで出て結果が出ませんでしたが、昨年のアジア大会で優勝し目的は達成。これがどう気持ちに影響しているか。最近活躍する選手が多いカナダも超激戦。ニック・テイラー、アダム・ハドウィン、コーリー・コナーズ、テイラー・ペントリス、マッケンジー・ヒューズ、アダム・スベンソンまでは可能性アリ。彼らは今年、母国開催のプレジデンツカップに一番モチベーションがあるでしょうが五輪人気の高い国ですからね。 コースは広くない。ラフが深くて、池が多くてとにかく難しいコースだと皆言います。設計者はロバート・ボン・ヘギーで、西那須野CCやホウライCCと同じで、正確性が求められます。 オリンピック種目としてのゴルフの位置付けは、日本で感じているより欧米ではすごく高いです。リオは期待されていませんでしたが視聴率がマスターズに次いでよかったですし、現在もNBCが一生懸命、普段のPGAの中継で五輪のことを口にしています。 アダム・スコットなど一部の選手は欠場を表明していますけど、選手も熱は高い。自分がオリンピアンになって、オリンピックの内側に入ることが特別で幸せだという意識が高いんです。選手村にあえて泊まる人も多い。他の種目のアスリートと交流を持てて、命がけで取り組んでいる姿を見てインスパイアされたり元気をもらえるということもあるようです。ゴルフ会場に応援にきてくれたとSNSなどで発信したり。僕もリオ五輪のとき、解説者同士の交流でもそう思いました。今回もまた解説で行くのでそのへんも楽しみです。