【NBA】レイカーズの開幕戦でレブロン&ブロニーの親子共演が実現「何歳になろうとも、あの瞬間は決して忘れない」
ブロニー「レイカー・ネイションに感謝している」
レイカーズの2024-25シーズン開幕戦、第2クォーター残り4分で『その時』は訪れた。一度ベンチに下がって呼吸を整えたレブロン・ジェームズがコートに戻るタイミングで、息子のブロニー・ジェームズがNBAプレーヤーとして初めてコートに立つ。コートサイドに並んでウォームアップジャージを脱ぐ親子に、クリプト・コム・アリーナを埋めた1万9000人の観客が大声援を送った。 すぐさまレブロンが3ポイントシュートを放ち、これがリムに弾かれたオフェンスリバウンドに反応してブロニーが飛びつくが届かず、ハリーバックで自陣に戻る。NBAで初めて同じコートに立つ『親子』は、イキイキと躍動していた。 「すべてのことに気を取られるのではなく、ルーキーとしてミスをしないことだけに集中した」とブロニーは言うが、NBAデビューの高揚は抑えられるものではない。「ファンの盛り上がりは感じていたよ。僕と父のために応援してくれたレイカー・ネイションに感謝している」 そしてレブロンは「スコアラーテーブルで一緒に立ち、試合に入る準備をしたことは一生忘れない」と語る。トレーニングキャンプ開始からここまで、ブロニーは親子が一緒にプレーする感情に流されることなく、ルーキーとして謙虚であろうとしているが、レブロンは長男とのプレーを最大限に楽しみ、その感激を隠そうとしない。「僕が何歳になろうとも、年齢を重ねて記憶力が衰えても、あの瞬間は決して忘れない」 アンソニー・デイビスとのピック&ロールからのレブロンのパスを受け、ブロニーが3ポイントシュートを放つ。これは惜しくもリングに弾かれて決まらず。ブロニーは第2クォーターの3分間だけプレーし、2本のフィールドゴールを外して得点なし、リバウンド1を記録した。
レブロン「サーカスをやろうとしたわけじゃないし、自分たちを主役にしたかったわけでもない」
レイカーズは第2クォーターからリードを守り続け、110-103でティンバーウルブズに快勝を収めた。レブロンは35分の出場で16得点5リバウンド4アシスト2ブロックを記録し、親子競演を実現させたJJ・レディックにヘッドコーチ初勝利をプレゼントした。 レディックはもともとレブロンの親友だ。現時点でブロニーにレイカーズのローテーションとしての実力がないとしても、20歳のルーキーの可能性を広げるため、そしてレブロンとの友情のため、2人同時にコートに送り出すという演出をやってみせた。「そのことについては何度か話し合った。みんな同じ考えだと思う。試合の流れの中で自然に実現させたかった」とレディックは語る。 レブロンも親子共演に感動しながらも、優先するのは勝利だと言う。「あの瞬間にも僕らにはやるべき仕事があった。サーカスをやろうとしたわけじゃないし、自分たちを主役にしたかったわけでもない。主役であるべきはチームだと考えていた」 ブロニーがプレーした3分間のスコアは2-7。勝てたから良かったものの、今後チームが負け、それが「ブロニーがプレーしたせいで」と取られるような試合展開となれば、このお祝いムードの風向きは変わり、レブロン親子とレディックには批判の嵐が吹き荒れるだろう。レイカーズはレブロンとデイビスを擁して優勝を狙いながらも、若手の育成もやっていく方針で、ブロニーを他の若手とともに育てることは間違っていない。チームが勝っている限り、そのやり方は『正しい』とされる。 それが分かっているであろうデイビスは試合後、「本当に勝てて良かった。これまでレブロンの節目となる試合はことごとく負けていたからね(笑)」と愉快そうに話した。もちろん、レブロンもそれは理解している。ブロニーと一緒にプレーすることで39歳の大ベテランは新たな活力を手に入れ、それが大きなエネルギーとなるはずだ。