高級スポーツ自転車盗200台超裏付け 静岡県警など 中国人被告ら、埼玉からカンボジア輸出か
スポーツタイプの高級自転車の組織的窃盗・盗品流通事件を捜査している浜松中央、静岡中央署、静岡県警捜査3課などの合同捜査班は19日までに、窃盗の疑いで逮捕した中国籍の男2人と、盗品等有償譲り受けの疑いで逮捕したベトナム国籍の男性3人=不起訴処分=が、静岡県内外で高級自転車200台以上を盗むなどしたことを裏付けて立件した。被害総額は約1300万円に上り、自転車の一部は埼玉県内のヤードから、カンボジアに船で輸出されていた。 捜査3課によると、窃盗容疑で逮捕、送致され、いずれも公判中で中国籍の自称金属買取業の男(36)と古物商の男(35)は、2023年3月~24年6月下旬、浜松、静岡両市と愛知県、都内で高級自転車を中心に窃盗を重ねた。 両被告は主にマンションやアパートの駐輪場で、高級自転車のU字ロック錠などを用具で破壊するなどし、車に複数台を一度に積み込んで移動。ベトナム国籍の男性会社役員が埼玉県内で経営するヤードに売却していたとされる。この男性は、同県のヤード関連条例の届け出義務違反をした容疑で送検され、ヤードは閉鎖されたという。 被害品は自転車を中心に約240点におよび、ライトや小物入れ、ヘルメットも含まれている。静岡県警は浜松、静岡両市内で確認された高級自転車の被害を端緒に、広域な盗品の流通ルートなどを特定する捜査を続け、海外へ不正に流出している実態まで突き止めた。合同捜査班が一連の事件で押収した自転車は最終的に約280台に上った。
静岡新聞社