芸能人には「プライバシー」がないのでしょうか? パパラッチが「賠償金」を支払ったケースを知らないのですが……。
テレビや雑誌を見ていると、芸能人のプライベートや恋愛など私生活に関する記事を見かけます。雑誌のなかにはゴシップ誌もあり、さまざまな芸能人のプライベート情報などが載せられているのを見ることも可能です。では、そういった写真を撮影しているパパラッチは、芸能人から訴えられることはないのでしょうか。 本記事では、パパラッチと賠償金について解説します。
芸能人のプライバシー侵害になる可能性があるシーン
芸能人は、プライベートの顔が少し見えることで親しみがわき、そこが新たな魅力になる一面もあります。そのため、SNSなどで公開できる範囲のプライベートシーンを投稿している芸能人は少なくありません。ただ、だからといって何もかもを公開できるわけではなく、特に公開するつもりがないことまで雑誌などに記載されてしまうのは歓迎できることではありません。実際、芸能人相手であっても、プライバシー侵害にあたる行為もあります。 ・自宅にいるときの写真 芸能人を見かけたときに思わず写真を撮ってしまう人もいるでしょう。ただ、完全にプライベート空間である自宅での様子を撮影することは、完全にプライバシーの侵害にあたります。 ・個人が撮影した写真を雑誌社に渡した場合 一般人が写真撮影を依頼し、芸能人本人が撮影を許可した写真であっても、それはあくまでその人が個人的に記念にできるようにという気持ちからです。もし、そういった一般人に許可した写真を雑誌社などに渡したり、売ったりした場合はプライバシーの侵害にあたる場合があります。 ・芸能人になる前後の写真 芸能人になる前の写真、芸能人になったばかりの頃でまだ通学しているときの写真などは本人が公開したものではない限り、プライバシーの侵害になる可能性があります。同時に、家族構成や本人の身体的特徴、性格、成績なども同様です。
実際に芸能人に損害賠償が支払われた判決
芸能人がプライバシーの侵害を感じ、雑誌社などに対して損害賠償を請求した事例を挙げてみました。 ・スポーツ選手のデート中の写真掲載 スポーツ選手が当時交際していたタレントとのデート中の写真を雑誌社に掲載されました。この際、写真撮影をしたのは一般人であり、スポーツ選手も快く写真撮影を承知しています。その後、一般人が雑誌社に写真を提供したことによって雑誌に掲載されました。損害賠償請求は認められ、120万円の支払いが行われています。
芸能人はプライバシーの侵害になるかどうかの判断が難しい
「芸能人である限りプライバシーはない」というイメージがあるかもしれませんが、実際には仕事以外では一個人であり、場合によってプライバシーの侵害にあたるケースもあります。パパラッチだけではなく、一般人であっても芸能人から訴えられる可能性がないとは限りません。損害賠償請求が認められた事例もあるため、芸能人が相手であれば何をしてもよいわけではないことをしっかり理解しておきましょう。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部