あたみ桜、早くも満開 10日早い開花
早咲きの桜として知られる「あたみ桜」が早くも静岡県熱海市内で満開となり観光客らの目を楽しませている。例年より9~10日開花が早いという。開花している期間が1カ月以上と長いことから2月上旬くらいまで楽しめそう。
あたみ桜は、熱海市街地を流れる糸川の遊歩道沿い約400メートルに計58本植えられているほか、市内の市道や公園などにも植えられている。市公園緑地室によると、台湾・沖縄地方の「カンヒザクラ」と日本の暖地に自然分布する「ヤマザクラ」が親と推定されているという。明治4(1871)年頃にイタリア人がレモンやナツメヤシといっしょに熱海にもたらしたらしいのだが詳しい経緯はよくわからない。住民らが増殖し、今では市内各所で見られるようになった。下田の御用邸、伊勢神宮、東宮御所に献上され植栽された桜として広く知られている。また、熱海市の「木」でもある。
例年12月中旬に開花し1月下旬から2月上旬頃まで楽しめる。市公園緑地室によると、ひとつの枝に早期に開花する蕾と後期に開花する蕾の二段構えで花がついているため、長期間にわたり開花するのだという。今季は昨年12月6日に開花、例年より10日程度早い開花で、すでに満開だ。
58本が植えられている糸川の遊歩道では21日より恒例の糸川桜まつりが開幕した。暖かな陽気の中、多くの人がカメラを片手に遊歩道を散策し、ひと足早い春を満喫していた。また、特設の舞台が設けられ、熱海芸妓が桜を背に日本舞踊を披露、温泉情緒たっぷりの演出に見物客らは大喜びの様子だった。糸川桜まつりは来月12日まで。期間中、午後5時~11時はライトアップされ、夜桜も楽しめる。