古江彩佳がGDOのインタビューで快挙の1年を振り返った

米ツアー3シーズン目となった2024年、古江彩佳は快挙を成し遂げた。7月「アムンディ エビアン選手権」で日本勢4人目のメジャー制覇。さらに最少平均ストロークの選手に贈られる年間タイトル「ベアトロフィ」を日本人として初めて獲得した。目標のひとつだった8月「パリ五輪」代表入りを目前で逃す失意を糧に勝ち取った栄光の舞台裏を振り返った。＜全2回の前編／後編に続く＞ 【画像】これが唯一無二のエビアンV記念ロレックス

食あたりでまさかのV逸

超多忙なオフも活躍の証し

アマチュア、日本ツアー、そして米ツアーと輝かしい実績を残してきた中でも、間違いなく一番といえる年だった。「そういうことになるかなと思います」と笑って続ける。「まず、優勝できたことがうれしい。それがメジャー優勝だったっていうことが、自分の人生の中ですごく大きいことかな。最終的にベアトロフィも獲ることができた。日本人初と言われる賞を、自分が1番目に獲れたこともすごくうれしかった」と素朴な言葉に喜びがにじむ。 序盤戦で忘れられないつまずきがあった。開幕4戦目の3月、シンガポールでの「HSBC女子世界選手権」最終日に単独首位スタートから2打のリードを守れず8位フィニッシュ。ホールアウトした18番グリーンで悔し涙があふれた。「75」とスコアを落としたプレーについて、「実はなんですけど…」と初めて内情を打ち明けた。

単独首位から逃げ切れなかったシンガポールの涙

「最終日、体調を崩していたんです。3日目の食事で“何か”にあたってしまったみたいで、その日の夜中も目が覚めてしまった。コースにいるドクターに診てもらって、薬も飲みましたけど…。ラウンド中も、のどの辺りまで吐き気が来ていたくらい。もう…不甲斐ない、ですよね。3日目までパーフェクトとは言わないですけど、いい状態で来られていたのに、（肝心なところで）自分のプレーができなかったことが一番悔しくて。ちゃんと力を出せない感じでも耐えていた中で、ひとつのボギーで集中力が切れて、最後に落ちていってしまった」 ラウンド直後、現地では体調に一切言及せず、胸に秘めてきた。「仕方がない、で終わらせたくなかった。言い訳にもしたくなかったので」。苦しい時にこそ気高く、潔くあろうとするのは6月のメジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でも同じだった。