奈良・徳島の架け橋に 東大寺「金鐘ホール」で阿波人形浄瑠璃上演
全国徳島県人会連合会20周年記念「第8回阿波人形浄瑠璃・奈良東大寺公演」(奈良新聞社など後援)が7日、奈良市水門町の東大寺総合文化センター「金鐘ホール」で開かれた。来場者約300人は、徳島の伝統芸能で国の重要無形民俗文化財指定の阿波人形浄瑠璃の世界に引き込まれていた。 [写真]全国徳島県人会連合会・奈良徳島県人会の本出良一会長があいさつ=7日、奈良市水門町の東大寺総合文化センター「金鐘ホール」
阿波人形浄瑠璃は約400年の歴史があり、音楽と人形劇が合わさった登場人物の心情などを表現する芸能として、地域の神社などに作った舞台で、地域の人々によって継承されてきた。 今年は徳島県が主催し、全国徳島県人会連合会と奈良徳島県人会の共催で、「阿波人形浄瑠璃を、未来に世界に」をテーマに実施。初の試みとして舞台上に、セリフを日本語と英語で表示させるなど、若者や外国人にも楽しめるよう工夫した。 この日のメイン演目は「傾城阿波の鳴門 十郎兵衛住家の段」。盗まれた主の刀を探すため、一人娘を残し夫婦で大阪の盗賊集団に加わり生活しているところへ、親を探して9歳の娘が訪ねてくるが悲しい結末を迎える物語。 最後は、奈良徳島県人会の大仏連による阿波踊りが披露された。 全国徳島県人会連合会・奈良徳島県人会の本出良一会長は「若者にも外国の人にも阿波人形浄瑠璃の魅力を知ってもらい、奈良と徳島の架け橋となるよう今後も続けたい」と語った。