なぜ?企業・団体献金“先送り”「少数与党国会」の新たな姿
■③与野党共に問われた…「戦略」「政策力」「覚悟」
少数与党国会で、政治とカネの議論は大きく動いた。これまで「ブラックボックス」との批判が出ながらも、自民党が守り続けてきた「政策活動費」は、選挙で得た民意をバックに、野党側が追い込む形で「廃止」に至った。野党側の大きな成果と言えよう。 一方、企業・団体献金をめぐる議論では自民党の「禁止しないという覚悟の強さ」(野党幹部)が勝ったともいえる。ある立憲幹部は「説明が甘く、攻められる隙を与えてしまった」別の政府関係者も「自民の『企業・団体献金の何が悪い?』という『開き直り』に説得力があった。理屈ではない、勢いで勝った」とも分析していた。 野党側は「密室でなく、国会で議論して決めるべき」と主張した少数与党国会。これまでと違い、野党側の意見が取り入れられる形で法案修正が多く行われる「新たな姿」が目立った。同時に、与党だけでなく野党にも「攻めるだけでなく、自らの案を説明する能力」が問われる国会ともなった。 与野党共に「戦略」「政策力」「覚悟」が問われる場面が増えた「新しい姿」の国会審議で、わたしたち有権者はどちらの主張に説得力があるか冷静に見極めていく必要があるだろう。 (政治部官邸キャップ 平本典昭)