サウジ政府系ファンド、任天堂株を市場内で処分-保有率7.54%に
(ブルームバーグ): サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が保有する任天堂株の一部を市場内で処分していたことが8日、明らかになった。期間は8月21日から10月1日までで、保有率は8.58%から7.54%に下がった。
8日に開示された変更報告書によると、報告義務発生日は1日で、ブルームバーグ・ニュースが算出したところ、売却株式数は約1730万株だった。株保有目的は純投資で変更していない。
PIFグループを巡っては、共同通信が5日に任天堂など日本のゲーム会社の株式の買い増しを検討していると報じ、週明けの7日の取引では、ゲーム関連株が上昇していた。任天堂株も7日に一時前週末比5.2%高の8148円と急反発する場面があった。
岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは、サウジアラビアがエンターテインメント業界を育成していく方針自体はおそらく変わっていないとして、詳細はよく分からないものの「ファンドの運用方針か何かに関わる売却だった」のではないかと指摘した。
サウジアラビア政府は、石油への依存度が高い同国のポートフォリオを多様化するため、ゲーム産業を強化していた。ブルームバーグのデータによると、PIFは過去に中国のテンセント・ホールディングスや米国のアクティビジョン・ブリザード(昨年マイクロソフトが買収)などにも数十億ドルを投じている。
--取材協力:Haruka Iwai.
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Yuki Furukawa