小椋藍、初の王座獲得へ運も味方!? 次々とアクシデントに見舞われるも…大ごとは回避「無事に一日を終えられた」【WGP・モト2】
◇WGP 第18戦 タイGP ロードレース世界選手権 練習走行 25日 チャンインターナショナルサーキット ペン&カメラ=遠藤智 モト2クラスで初の王座獲得に迫るMSIの小椋藍(23)が、初日に肝を冷やすアクシデントに見舞われた。赤旗無視の規則違反あり、新品エンジンのトラブルあり-。なんとか大ごとにはならずに済み、「いろいろあったけど、無事に一日を終えられた。正直、きょうでよかった…」と胸をなで下ろした。5位以内で自力タイトルを決められる大会で、練習走行1回目は6番手。次々と襲いかかる不運をはねのけ、上々のスタートを切った。 初タイトルへ突き進む小椋に追い風が吹いている。初日に次々とアクシデントに見舞われるも、大けがにならず命拾い。王座の目前に掘られた落とし穴にハマることなく、周囲から「最高だったね。ツイているね」と声をかけられた。 午前のフリー走行はセッションの大半でトップタイムをマークするも、セッション終盤の赤旗無視で500ユーロ(約8万2000円)の罰金を科された。ピットロード出口付近でセッション終了のレッドシグナルが点灯し、止まりきれずにオーバーラン。「ここで止まっても1周しても、同じことだと思った」と走って戻り、違反を問われた。 赤旗無視はグリッド降格やロングラップ、それ以上に重いペナルティーが科されるのが通例。小椋が過去に同様の違反を犯していないこと、赤旗を提示するオフィシャルの手際が悪かったことなどが考慮され、罰金で済んだようだ。 午後の練習走行1回目では、セッション終盤にエンジントラブルが発生してコースサイドで止まった。今大会で配布されたばかりのトライアンフの公式エンジンが、「どうしてか分からないけど、振動も出ていて遅かった」という不良品。もし決勝で起きていたら、完全に命取りになるトラブルだった。 練習走行1回目は6番手につけ、「セクター3でリアのグリップが悪かった」としっかり課題をつかんだ。「過去2年、ここでの走りは悪くなかったし、今年も速く走れると思う。5位以内というのは分かっているけど、『できればカッコよく決められたら』という気持ちもある」。ハプニングを乗り越え、また一歩、初の王座へ前進した。
中日スポーツ