阪和興業、韓LIBリサイクル企業とMOU。循環型サプライチェーン構築
阪和興業は18日、韓国でリチウムイオン電池(LIB)リサイクル事業を行うSEBITCHEM(セビットケム)と戦略的提携に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。阪和興業は使用済みLIBなどリサイクル原料に対する集荷網と炭酸リチウムなど製品の販売網を持っており、リサイクル原料から希少金属を回収できるセビットケムとの連携を強化することで独自の循環型リサイクル・サプライチェーンの構築と拡大を目指す。 MOUは、2026年に稼働を予定するセビットケムの新規リサイクル工場に阪和興業が母材となるリサイクル原料を供給し、セビットケムで優先的に処理を行い、そこからリチウムやニッケル、コバルトなど希少金属を回収することを目的とする。阪和興業は回収される金属を炭酸リチウムや硫酸ニッケル、硫酸コバルトなど電池グレードの製品として受け取る予定で、炭酸リチウムなどの原料製品を正極材原料として正極材メーカーや自動車メーカーなどに販売していく。 阪和興業とセビットケムは17年からリサイクル事業のビジネスパートナーとして連携しており、阪和興業はこれまでもセビットケムに海外で発生したリサイクル原料を中心に供給していた。その中で、セビットケムがリサイクル能力を拡張するために新規工場の立ち上げを計画したことがMOUの契機となった。 阪和興業は今回の提携について「自動車の電動化による電池需要の増大や、その過程で発生するリサイクル材の活用ニーズに応えるべく、プライマリとリサイクル事業を両輪としてバランスよく社会に貢献していく」と述べた。