隙あらば「スマホ貸して」の子供も夢中! 算数オリンピックの金メダリストを輩出する塾教材が書籍に(レビュー)
大人気シリーズ待望の最新刊。これまでは難易度「やさしめ」「ちょっとやさしめ」「ふつう」「ちょいムズ」があったのだが、「かなりムズ」の登場だ。対象年齢は難易度によるが小学校低学年から大人まで。でも、問題によっては未就学児でも楽しんで解けるものもある。 【写真を見る】慣用句を線でつなごう! 大人も楽しい「天才!!ヒマつぶしドリル」の中身を見る
この本は滋賀県にある、りんご塾の教材が元になっているらしい。この塾、毎年のように算数オリンピックの金メダリストが輩出しているそうな……算数オリンピックとはなんぞや? と思い調べると「子供たちが、持ち前の思考力と独創性を競います。学習の進度や受験の目安をはかるためのテストではありません。スポーツやゲームに参加する気持ちで挑戦してください。」とある。算数嫌いの私でもなんだか惹かれるわくわく感。実際、このドリルの内容もひらめきや発想力で解いていくものが多く、解けた時の達成感は大人でもクセになりそうである。鉛筆で書き込んで、間違ったら消しゴムで消して……そんな作業も今となっては新鮮でとても楽しい。持ち運びやすいサイズで、中身はカラー。伊豆見香苗さんのイラストがふんだんに使われていて、ドリルは勉強するためのもの、というイメージから、わくわくするゲームブックのような印象に変わっている。個人的にはカバーが箔押しになっているところも好きだ。 子どもの動画との付き合い方に悩んでいる親御さんも多いと聞くが、ヒマつぶし=動画視聴になってしまいがちな子にぜひおすすめしたい。6歳になる私の姪も隙あらば「スマホ貸して」とYouTubeで動画を見ていたが、これを買ってもらってからというもの、電車の中や外食でご飯が出てくるまでの時間などの“ヒマつぶし”に夢中になって問題を解いていた。看板に偽り無し、すごいぞヒマつぶしドリル。そうだよね、動画ばっかり見ちゃだめ! と言うんじゃなくて、代わりの面白いものがあればちゃんと夢中になるんだよね。
[レビュアー]夢眠ねむ(書店店主/元でんぱ組.incメンバー) 7月14日生まれ。三重県伊賀市出身。多摩美術大学卒業。アイドルグループ「でんば組.inc」の元メンバー。愛称は“ねむきゅん”。みえの国 観光大使。他の著作に『ゆめみやげ』『まろやかな狂気』『夢眠軒の料理』などがある。 協力:新潮社 新潮社 週刊新潮 Book Bang編集部 新潮社
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