【高校サッカー選手権】横浜創英 宮澤崇史監督「次も決勝戦というよりは、1つの試合として」
11月4日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選準決勝が行われた。横浜創英がインターハイ全国8強の桐光学園に2-0で勝利し、同校初の決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】桐光学園 vs 横浜創英 第74回全国高校サッカー選手権大会の東福岡戦ではダブルボランチとして桐光学園を率いる鈴木勝大監督とコンビを組んだ横浜創英の宮澤崇史監督。29年の時を経て、あの時と同じ三ツ沢球技場で、今度は互いに指導者として決勝進出をかけて戦った。 「(桐光学園の)黄金時代に僕らの部活は生まれて、僕はもうずっと桐光学園の背中を見てきたので、そういう意味では 1回だけですけども選手権で勝ったのはホッとしているというか、きっと、この後いろんな気持ちが出てくるのかなと思います。去年も一昨年も桐光にやられてるんで、選手権 3度目の正直というか」 試合後、横浜創英の宮澤崇史監督は喜びを言葉にした。2次予選の初戦となった座間戦では相手のパワーに押され、窮地に追い込まれた。 「今は、まだ選手権が全部終わってませんけども、この時点で振り返ると、やっぱり座間戦が良い薬になったと思ってます。選手権の難しさっていうのは、いつも通りやることなんですね。何か色んなことやるんだけど、いつも通りやるってことが選手権は難しくて、初戦はやっぱりいつも通りができなかった。そういう意味ではあそこで目が覚めたというか、3失点しましたから、その後はある程度順調にいつも通りやれました。今日の最後は苦しかったですけど」 土壇場まで追い込まれた選手たちは、ここから奮起し、3回戦で横浜隼人に3-1、準々決勝ではインターハイ予選ベスト4の相模原弥栄を3-0で退け勝ち上がる。不安を見せていた守備に関しても尻上がりに調子を上げてきた。 「僕も20年弱やってますけど、これだけサッカーにきちんと向き合える子たち、こういう代がほんとに初めてで。育ったっていうよりは、入学した時からそういう子たちだったので、僕らも本当にスタッフ陣はこの子たちの代では必ずある程度の結果を出してあげなきゃいけないよねっていう話はずっとしてきてはいたんですね。まだあと1試合、結果はまだ出てませんけども、そういう意味では ここまで来るのは、初めて決勝まで来ましたけど、必然というか、このぐらいまでは来るだろうという風には想定してました」 だが、準決勝の桐光学園は一筋縄ではいかない相手。そこで結果を残すため綿密なプランを練った。 「桐光はやっぱりサイドをどんどん、どんどん、ぐいぐい、ぐいぐい仕掛けてくるので、そこはきちんと蓋をすること。そして背後を1発で取られないっていうこと。さらに跳ね返した時のセカンドボールをしっかり奪うっていうことですね。で、奪ってそれを クリアして逃げるんじゃなくて、自分たちのプラン通りにして攻撃をしていくっていうプランでやってたんで、そういう意味ではしっかり守ることはできましたけど、後半なんかはそれを攻撃につなげていくことができなかったので、そこはものすごく反省点です。それでもゼロで抑えられたということでは、しっかり褒めてあげたいです」 そしていよいよ迎える初めての決勝戦。 「(ここまでも)一戦一戦やってきてるんで、次も決勝戦というよりは、1つの試合ということでやりたいと思います」 まずは『いつも通り』を忘れずに、初めての頂点を目指す。 (文・写真=西山和広)