<ここに注目>投手力の東洋大姫路vs打力の高知 ロースコアの展開に? 選抜高校野球
東洋大姫路・岡部虎尉主将の話
(高知は昨秋の)四国王者で打線がとても強い印象がある。自分たちはバッテリーを中心に粘り強い野球が特徴。(藤田監督が大会を最後に勇退)一日でも長く甲子園の舞台で野球がしたい。
野球部は63年創部の古豪 全国制覇経験も
1963年、東洋大(東京都)の付属高校として創立された私立学校。89年に共学になった。教育理念は「考えるを、学ぶ」で、自分で考えて物事の本質を理解する力を育む教育を目指す。難関国公立大を目指すスーパー特進や、野球部員が多く所属する体育コースなど計4コースがある(2022年度から2コースに改編)。 野球部は63年創部の古豪で、これまで春夏計19回甲子園に出場し、77年夏に全国制覇した。OBにはオリックス、米エンゼルスなどで投手として活躍した長谷川滋利さん、ヤクルトの原樹理投手、ソフトバンクの甲斐野央投手らがいる。
「格好いい野球を」野球部OB会長の恒藤克之さん
3年間で甲子園に出られ得るチームに育てる計画の初代部員として、甲子園出場を至上命令とする田中治監督(故人)の教えを受けました。 3年生だった1972年6月、指導陣に「そんなんで出られると思っとんのか。やめてまえ」と言われ、腹が立って3年生全員で1週間練習をボイコットしました。厳しい練習に耐えてきたがゆえですが、結束が強まり夏に主将として甲子園出場を果たしました。「試合は勝つもの」とみんなが思ったものです。 当時の最大のライバルは報徳学園でした。母校の低迷期も甲子園に出ている姿を見ると、やはり何倍もの悔しさが募りました。甲子園では、負けそうな試合も勝ち抜く東洋大姫路の格好いい「守りの野球」を期待しています。
「まずは1勝」 高知、狙うは下克上
最速154キロ右腕・森木大智(阪神)のような絶対的なエース不在だが、野手兼投手が攻守でけん引する。 軸は右腕・山下圭太(3年)。カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップの変化球主体で打たせて取る。マウンドでも物おじしない。右腕・川竹巧真(3年)は最速144キロの直球の球威で押すスタイルで、先発や中継ぎ、抑えとどの役割もこなせる。本格派右腕の高橋友(3年)は130キロ後半の直球にスライダー、チェンジアップを織り交ぜる。 3選手が打線でも中心になる。昨秋の公式戦でチームトップタイの9打点を挙げた川竹は冬場に木製バットを使い、苦手な内角攻めの克服に取り組んだ。1年秋に4番を任せられた高橋は広角に長打を打てる。リードオフマンの山下は積極的な打撃が魅力だ。 1975年のセンバツで初優勝も、近年の甲子園での勝利は夏も含めて2013年春が最後。選手は口をそろえて「まずは1勝」と強調し、4年ぶりの春の舞台でもチームのテーマである「下克上」を狙う。