<ここに注目>投手力の東洋大姫路vs打力の高知 ロースコアの展開に? 選抜高校野球
◇第3日第3試合 東洋大姫路vs高知
投手力の東洋大姫路と、打力に自信を持つ高知の構図で、3点前後が勝敗の分岐点になりそうだ。 【熱血、スマイル…】センバツに名を刻んだ名将たち 東洋大姫路はエース右腕の森健人(3年)の出来が鍵を握る。最速144キロの直球を内角へ厳しく投げ込む制球力がある。昨秋の公式戦は6完投し、スタミナは問題ない。伝統の堅守とともに最少失点で防ぎ、完投を狙いたい。 攻撃面では昨秋1試合平均3得点と高くないが、進塁打や送りバントなど堅実な野球で先制点を奪い、森を援護したいところ。先発の立ち上がりや相手投手の代わりばなを狙えるか。 高知は多彩な攻撃で揺さぶり、好投手攻略への突破口を見いだしたい。ポイントは山下圭太(3年)、小西拓斗(3年)の1、2番の出塁になる。3番・高橋友(3年)はバットコントロールが巧みで、エンドランが仕掛けやすい。高橋に集中する隙(すき)を突いて盗塁を狙うなど、作戦面で選択肢が多い。そこで好機を広げ、逆方向へ長打が打てる川竹巧真(3年)、鋭い打球を飛ばす松本桂弥(3年)らで複数得点を挙げるのが理想的だ。 投手陣は相手打線や状況に応じて山下、川竹、高橋らタイプの異なる投手をつぎ込む。山下は投手から野手、再び投手と使い勝手が良い。甲子園初采配となる浜口佳久監督の継投のタイミングも注目だ。【安田光高】
東洋大姫路、「守り勝つ野球」でセンバツ切符
原樹理(ヤクルト)ら多くの選手を育て、今大会限りで退任する藤田明彦監督にとって最後の甲子園となる。「1試合でも長く監督と野球をしたい」と主将の岡部虎尉(3年)。胸の「TOYO」などの刺しゅうの縁取りが金になる全国大会用のユニホームに身をまとい、春夏の甲子園優勝1回、4強入り計5回を誇る名門校が復活ののろしを上げる。 昨秋の公式戦7勝のうち6勝が2点差以内。大黒柱のエース右腕・森健人(3年)を中心に守り勝つ野球で14年ぶりのセンバツ切符をつかんだ。 森は伸びのある直球、カットボール、フォークに加え、夏場以降はカーブに磨きをかけて緩急を身につけ、投球の幅が広がった。岡部と小松聡真(3年)の二遊間を中心に、公式戦9試合で6失策の守備も安定している。 打線では、中軸の一角となる賀川新太(3年)が小柄ながらもチーム一のパンチ力を誇る。小松、千代凱登(3年)の1、2番コンビを含め、進塁打やバント、エンドランの意識は高く、小技も駆使して得点を狙っていく。