【スターダム】S・キッド なつぽい破り悲願のワンダー初戴冠「プロレス辞めないで良かった」
悲願成就だ。女子プロレス「スターダム」のワンダー王座戦(29日、東京・両国国技館)は、挑戦者の〝欲深き白虎〟スターライト・キッドがなつぽい(29)を破り、第24代王者に輝いた。 【写真】なつぽいからワンダー王座を受け取るS・キッド 会場を包む「SLK」コールが心地良かった。なつぽいから手渡された白いベルトを腰に巻いたキッドは叫んだ。「来年はホワイトタイガー、SLKの年にしたいと思います!」。5度目の挑戦でついに手にした王座。新王者の目にはうっすら涙が浮かんでいた。 かつてハイスピード王座を争ってきた因縁のライバルと、通算8度目のシングルマッチ。これまでの戦績は2勝2分け3敗と黒星が先行していたキッドは、全身白のコスチュームに白い覆面姿で登場。いきなりのケブラーダで先制すると、王者の右ヒザに狙いを定めた。その場跳びムーンサルト、ストレッチマフラー、雪崩式ドラゴンスクリューでなつぽいの機動力を殺しにかかる。 王者のプランチャ、フェアリアルギフト(変型ダイビングボディープレス)で猛攻を浴びても、3カウントは許さない。逆に10分過ぎには黒虎天罰(変型脳天杭打ち)から猛虎原爆固め、さらにはマフラーホールドから黒虎脚殺(変型ストレッチマフラー)で捕獲。旋回式でたたみかけるが、粘るなつぽいを仕留めきれない。 その後も一進一退の攻防が続く中、20分過ぎだった。コーナーに上った王者にEternal For(不知火・改)を決め、再び黒虎天罰へ。最後はスタースープレックスホールド(変型猛虎原爆固め)で死闘に終止符を打った。 「ハイスピードを8回目で取った時も、他のベルトを取った時もそう。いつもこう思うんです。あきらめないで、プロレス辞めないで良かったって。本当にベルトに嫌われているのかって思うくらい、何回挑戦しても取れないことが多かったから。この苦しくてつらい時間が自分を成長させてくれ、何よりあきらめないことが大事だって、このプロレス界で一番私が証明できていますよね」 2025年、SLKイヤーが幕開けする。
東スポWEB