救急車の出動には1回「4万5000円」かかる!?有料化がすすむ背景とは?
一部地域で取り入れられている選定療養費
日本では三重県松阪市や茨城県において、特定の条件下で救急車を利用した場合に費用が発生する仕組みが導入されました。 松阪市では2024年6月から、救急車で病院に運ばれたものの入院に至らなかった場合、7700円(税込み)の選定療養費が徴収されることになっています。 この制度は軽症患者が救急車を利用することによって、本来の救急医療体制が圧迫されることを防ぐために導入されました。入院した場合や紹介状を持参した場合、災害や交通事故による場合、医師の判断によるなどの場合は対象外になっています。 また、茨城県でも2024年12月から、緊急性が認められなかった場合に選定療養費が徴収されることになりました。料金は医療機関によって異なり、1100円~1万3200円まで幅があります。 こうした新しい制度は、住民にとっては経済的な負担となる一方で、適切な救急制度の利用促進につながるでしょう。しかし、軽症か重症かを判断することが難しく、救急車を呼ぶことをためらう人が増える懸念があります。
救急医療体制を維持するためには、救急車の適切な利用が必要
救急車の有料化は、日本の医療に大きな変革をもたらす可能性のある課題です。財政的な観点だけでなく、医療の質の維持、公平性、生命や健康を守るという救急医療の本質的な役割を踏まえたうえでの慎重な議論が必要といえます。 救急車の有料化問題は医療や財政の問題にとどまらず、社会のあり方そのものを問う重要な課題であり、今後もさまざまな立場からの意見を集め、最適な解決策を見つける必要があるでしょう。 出典 総務省消防庁 令和5年版 救急救助の現況 救急編 (3,15,16ページ) 総務省消防庁 令和5年版 消防白書(66ページ) 茨城県 本件の救急医療の現状及び2024年12月2日(月曜日)からの救急搬送における選定療養費の徴収開始について 松阪市 三基幹病院における選定療養費について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部