いよいよ夏本番の「小暑」、毎日食べがちだけどこれを食べると余計バテるものっていったい何?【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】
夏ならではのあの食べ物が、夏に疲れた「心」をケアします!
季節の旬の食材は「その季節に必要な働き」が込められているとイメージしても良いかもしれません。夏の暑さが際立ってくるこの季節は、「熱を適度に冷ます」働きをまずは摂り入れたいですね。夏の太陽を浴びてスクスク育ったニガウリ(ゴーヤ)、すいか、緑豆もやし、ハイビスカスなどがおススメです。 すいかは「食べる解熱剤」と言われることもある存在です。丹精込めて作られるので、スーパーでの販売価格は少し高く感じることもあるかもしれませんが、夏の暑さが際立っている時には一番のオススメ食材です。「少々高くても食べるお薬なので買ってくださいね」とおっしゃっている先生もおられます。 最近、スーパーでのすいかの価格は少し下がっているようです。すいかと言うと「8月のお盆」のシーンをイメージしたりもしますが、7月にすいかの価格が下がるほどの“旬”を迎えているということは…自然環境が二十四節季の暦と合って来たのかもしれませんね。 緑豆(りょくとう)は日本ではあまり目にすることはありませんが、中国では「抜群の清熱食材」として夏場によく食されています。 日本では緑豆を発芽させた「緑豆もやし」はスーパーで見かけることが出来ます。夏のスター「心」の熱を適度に冷ましてくれる働きがあると言われます。もやしはスーパーでも手に取りやすい価格の食材ですので、この夏は特に気にされてみるのはいかがでしょうか。 汗をかく季節ですので、身体の中の潤いを補ってあげましょう。「酸っぱい味と甘い味を合せると身体の中で水分を生み出す」と言われます。果実のあんずは甘さと酸っぱさを兼ね備えているので、まさにこの季節にもってこいですね。干したあんずは「心の果」と言われることもあるほど、夏のスター“心”を支えてくれるおススメです。 ここで今週のお食事として、ニガウリ(ゴーヤ)の肉詰め弁当をご紹介します。この時期に旬を迎えるニガウリは、その名の通り「苦い味」がします。中医学では「味にも効能がある」と捉えていまして、苦い味は「熱を冷ます、上がりがちな気を降ろす」という働きがあります。ニガウリの苦味で身体の熱を冷ましながら、卵焼きの卵黄が身体の潤いに働きかけてくれる。 ※卵焼きに混ぜた枸杞の実(くこのみ)はアンチエイジング食材です。 夏の暑さが厳しくなるほど「かき氷・アイスクリーム」を食べたくなりがちですが、体温(約36~37℃)との温度差が約30℃ぶんとあまりにも開き過ぎて、おなかの五臓六腑の機能に影響が及んでしまいます。緑茶は身体を緩やかに冷ます「涼性」です。Hot・Coldのどちらで飲んでも、身体の熱を緩やかに冷ます働きをしてくれます。暑い時期だからこそ「冷ます働き」をする食材を意識的に選んでみませんか。 暑い季節こそ好んで働く、夏のスター“心”。熱さが身体にこもらないように汗をかくことが、かえって心の働きに負担となってしまう…。“夏の心”は頑張り屋さんです。どうかお気遣いいただけると嬉しいです。
再春館製薬所 田野岡亮太